Web上の過払い金診断やシミュレーションを利用すれば、数分で支払いすぎた利息がわかります。
ただ、診断された金額はほとんど実際の過払い金とは一致しないことを御存知でしょうか?
この記事では、
などについて解説します。
この記事を読めば正確な過払い金を知る方法がわかるようになります。ぜひ最後まで読んでみてください。
過払い金診断をしなくても、過払い金が発生している可能性が高いかどうかわかります。どのようなケースがあてはまるのでしょうか?
平成22年6月17日までに、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者からお金を借りたことがあれば過払い金があるかもしれません。
なぜなら貸金業者からお金を借りる際に過払い金が発生しない金利になったのは、平成22年6月18日の貸金業法改正からです。
ただし、多くの貸金業者は平成18年〜平成19年頃までの間に貸付金利を見直しています。
主な貸金業者 | 貸付金利の見直し時期 |
---|---|
アコム | 平成19年6月19日 |
プロミス | 平成19年12月19日 |
セゾンカード | 平成19年7月15日 |
イオンカード | 平成19年3月11日 |
エポスカード | 平成19年3月16日 |
そのため、多くの貸金業者では平成19年頃までに借金をしていなければ過払い金が発生していません。
ただ、数少ない例外としてはベルーナ(現在はサンステージが引き継ぐ)など平成22年になってようやく貸付金利を見直した貸金業者もあります。
過払い金が発生するためには借金をしたときの金利が年15%〜20%を超えていなければなりません。
借金額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円〜100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
たとえば、借金額が10万円未満の場合年20%を超える金利で借金をしていると過払い金が発生しています。しかし、借金額が100万円以上のケースで過払い金が発生するのは年15%を超える金利で借金をしたケースのみです。
上限金利は借金額によって異なるため注意が必要です。
過払い金が発生していても借金の完済日から10年が過ぎると過払い金は請求できなくなります。
たとえば、完済日が平成24年であれば令和4年の完済日までなら過払い金請求ができます。
しかし、過払い金請求が行われるようになってから10年以上が過ぎています。
一人一人返済の状況は異なるので時効日も違いますが、時効の期限が迫っている方も多いでしょう。
過払い金を取り戻すためには時効を迎える前に請求しなければなりません。
過払い金診断をしようとしたけど、以下のような問題を抱えているときには診断をしても支払いすぎた利息はわかりません。
ただ、過払い金診断ができなくても戻ってくる過払い金に影響はありません。司法書士に相談することで支払いすぎた利息がわかる可能性があります。
借金をした貸金業者を忘れたときでも過払い金の相談や請求は可能です。
返済したときの明細書や通帳に記録が残っていれば、取引した貸金業者がわかるかもしれません。
また、紛失した場合は信用情報機関に問い合わせをすることで過去の返済状況や取引した貸金業者がわかることがあります。
信用情報機関 | 主な貸金業者の特徴 |
---|---|
JICC | 消費者金融やクレジットカード会社などが多い |
CIC | 消費者金融やクレジットカード会社などが多い |
KSC | 銀行が加盟している |
ただし、信用情報機関の履歴にも保管期限があるため100%貸金業者が判明するとは限りません。
司法書士へ相談すれば、返済や借り入れの際に使用していたカードの特徴から貸金業者が判明する可能性があります。
契約書や明細書がないため取引期間がわからず困っていませんか?貸金業者に対して取引履歴の開示請求を行えば取引期間が判明するかもしれません。
取引履歴には以下のような情報が載っています。借り入れ額や金利も載っているので、過払い金請求が可能になります。
取引履歴の開示請求は電話やインターネットから取り寄せられます。
なお、平成17年7月19日の最高裁判決にもある通り、貸金業者が取引履歴の開示を断ることはできません。
貸金業者は,債務者から取引履歴の開示を求められた場合には,その開示要求が濫用にわたると認められるなど特段の事情のない限り,貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として,信義則上,保存している業務帳簿(保存期間を経過して保存しているものを含む。)に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負うものと解すべきである。
(引用元:最高裁判所判例集|e-Gov)
したがって、自分で手続きを行っても取引履歴の開示を断られることは少ないでしょう。
ただし、貸金業者によっては古い履歴を保管していないことがあります。
古い履歴がわからないときには、一度司法書士に相談していただければ過払い金の計算が可能です。
過払い金の相談や計算を無料で行っている事務所もあるので、費用をかけなくても調べられます。
過払い金請求は原則借金をした本人が行わければなりません。しかし、以下のような事例では本人に過払い金請求する意思があり本人のサインと捺印がある委任状があれば代行できます。
また、司法書士に相談をすれば本人を説得できるケースもあります。
本人が亡くなっている場合も相続放棄の手続きをしていなければ過払い金の権利も移っているので請求できます。
なお、過払い金請求を本人以外の方が行う際の条件や注意点については代理で行う過払い金請求(本人以外でもできるケース)で解説しています。
完済後に同じ貸金業者で再び借金をした場合は診断よりも司法書士などに相談するのをおすすめします。
たとえば平成16年に一度借金を完済し、平成17年に再び同じ貸金業者から借金をしたような事例です。
過払い金診断では正確な過払い金を計算できません。なぜなら複数の契約を別個の契約として扱うか同じ契約として扱うかにより過払い金が変化するからです。
複数の契約がある際の判断 | 過払い金の計算 | 過払い金 |
---|---|---|
別個の取引 | それぞれの契約ごとに計算 | やや少なめ |
契約が続いている | 一つの契約として計算 | 別個の契約よりも多くなる |
この点はいまだに裁判でも争われているため裁判の結果を待たなければ過払い金が把握できません。
平成20年1月18日の最高裁判決をはじめ債務者側が勝訴している判例も多いです。
ただ平成29年9月27日の東京地方裁判所判決のように貸金業者側が勝訴し、裁判が長引くこともあります。
第1の基本契約に基づく貸付け及び弁済が反復継続して行われた期間の長さやこれに基づく最終の弁済から第2の基本契約に基づく最初の貸付けまでの期間,第1の基本契約についての契約書の返還の有無,借入れ等に際し使用されるカードが発行されている場合にはその失効手続の有無,第1の基本契約に基づく最終の弁済から第2の基本契約が締結されるまでの間における貸主と借主との接触の状況,第2の基本契約が締結されるに至る経緯,第1と
第2の各基本契約における利率等の契約条件の異同等の事情を考慮して,第1の基本契約に基づく債務が完済されてもこれが終了せず,第1の基本契約に基づく取引と第2の基本契約に基づく取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価することができる場合には,上記合意が存在するものと解するのが相当である。
(引用元:最高裁判所判例集|e-Gov)
このように過払い金は数分の診断をするだけではわからないことが多いです。そのため診断するよりも司法書士事務所などに相談した方が正確な過払い金がわかるでしょう。
いっけん過払い金がないようなケースでも過払い金が発生している可能性はあります。過払い金は過払い金の対象ではないと思われがちな過払い金請求できるケースでくわしく解説しています。
司法書士事務所などのホームページなどで「無料で●分の診断で過払い金がわかります」という言葉で支払いすぎた利息がすぐにわかるようなサイトがあります。
ただ、数分の診断で正確な過払い金を知るのは不可能です。
無料診断で出てきた金額を信じてそのまま手続きをすると以下のようなトラブルが起きる事例もあります。
無料診断は、診断する方の返済状況をメールもしくは電話で聞きます。
しかし、そもそも正確な過払い金を知るためには取引履歴が必要です。
取引履歴がない状態では正確な情報がわからないことも多いため、無料診断にだけ頼ってしまうと正確な過払い金は把握できません。
また、無料診断を行っているのは弁護士事務所や司法書士事務所がほとんどです。
仮に過払い金請求の実績が乏しい事務所で診断を行い請求を行えば、支払いすぎた利息をあまり取り戻せないかもしれません。
このように無料診断は完璧なツールではないので注意が必要です。
Web上には過払い金の計算ができるシミュレーションがあります。シミュレーションに借り入れ金額や返済期間を入れればすぐに支払いすぎた利息がわかるので便利です。
ただ、シミュレーションでは大まかな金額しかわかりません。
ではなぜ過払い金が正確にわからない理由は3つあります。
過払い金の返還率はさまざまな要素で成り立っています。そのため単純なシミュレーションに頼ってもわからないことがほとんどです。
司法書士などに依頼すれば必ず希望通りの過払い金が戻ってくるとは限りません。過払い金請求の実績が豊富な事務所とそうでない事務所では返還される金額に差があります。
また、過払い金請求した際の貸金業者によっても対応が異なります。
司法書士に依頼しなければ貸金業者は強気な姿勢で望むため、取り戻せる過払い金よりもかなり低い金額を提示することがほとんどです。
他方、司法書士に依頼すると自分で手続きをするよりも提示される金額は多くなる傾向があります。
契約状況によっても貸金業者の対応が異なります。裁判になればすんなり過払い金が満額戻ってくる業者もあれば、本格的に争ってくる業者もあります。
特に、過払い金を少しでも返還しないでよい可能性があれば、裁判が長期化するケースがほとんどです。
過払い金のシミュレーションで入力する情報は限られています。そのため貸金業者の倒産や時効で過払い金請求ができないケースまでは想定していません。
また、借金完済後に再び同じ貸金業者から借金をした際もシミュレーションでの算出は困難です。
このようにシミュレーションを用いても正確な過払い金はわからないので注意しなければなりません。
過払い金診断では正確な金額はわかりません。したがって、正確な過払い金を知りたい場合は司法書士への無料相談がおすすめです。
無料相談では相談者様の返済状況や契約内容の聞き取りをくわしく行います。そのため、過払い金診断やシミュレーションよりも正確に支払いすぎた利息がわかるでしょう。
また以下のような複雑なケースでも過払い金を計算できます。
なお、契約状況によっては裁判の判決を待たなければ過払い金がわからないこともあります。その場合でも司法書士に依頼をすればすべての業務を代行できるので安心してください。
過払い金の相談をしたいけど不安があるため相談できていない方もいるのではないでしょうか?この章ではよくある悩みを解説します。
過払い金の診断や相談をすると断りづらいのではと感じている方もいます。しかし、診断や相談後に別の事務所で依頼をすることも可能です。
ただし、司法書士へ依頼する費用を抑えるために自分で過払い金請求をするのはおすすめできません。
過払い金をあまり取り戻せないですし、必要書類の準備や手続きなどで精神的な負担が重いからです。
過払い金請求の手続きを自分ですると、自宅に届く書類や貸金業者とのやり取りで借金があることがバレるリスクがあります。
しかし、司法書士へ依頼すれば相談者と貸金業者の担当者がやり取りすることはないので、家族や会社にバレる可能性は低いです。
過払い金請求をした瞬間に貸金業者からの督促や取り立てが激しくならないか不安に感じている方もいるのではなないでしょうか?
しかし、依頼を受けた司法書士が受任通知と呼ばれる書類を貸金業者に送るので、貸金業者からの督促や取り立てはすぐに止まります。
そのため借金の返済について悩むことも少なくなるでしょう。
裁判をする際は手続き開始から過払い金が返還されるまで6か月〜1年前後かかります。しかし、司法書士がすべての手続きや裁判の代行をするので相談者様がやることはありません。
すぐに過払い金を返還して欲しい場合は貸金業者との交渉をすれば、手続きを開始してから4か月〜5か月ほどで戻ってきます。
過払い金請求の実績が豊富な司法書士に依頼すれば、過払い金を全額回収できる可能性があります。ただし、裁判まで行わなければすべての回収は不可能です。
なお、裁判をした場合の流れやメリットについては過払い金請求は裁判した方が得!少しでも多く取り戻すためにで解説しています。
相談を行った結果、過払い金がなくても問題はありません。司法書士法人杉山事務所では無料で過払い金の相談が可能です。
過払い金がなかったケースでも費用の請求はないので安心してください。
過払い金請求をすること=ブラックになるとは限りません。ただ、借金の返済中に過払い金請求を行うとブラックになることがあります。
借金を完済済み | ブラックにならない |
---|---|
返還される過払い金が借金よりも多い | ブラックにならない |
返還される過払い金が借金よりも少ない | ブラックになる |
また過払い金請求をする際にブラックになる可能性がある場合は、事前にお伝えさせていただくのでご安心ください。
過払い金請求をしてブラックになる条件や回避策について知りたい場合は過払い金請求してもブラックリストに載らない唯一の方法で解説しています。
過払い金の診断はメールや電話で行います。以下の情報を伝えることで診断が可能です。
一般的な診断サイトでは3分〜5分前後で過払い金の診断が終了します。ただし営業時間外に診断を申し込んだ際は翌営業日に結果が判明するので時間がかかるでしょう。
過払い金の診断が終了すると診断サイトを運営している事務所から電話で過払い金請求の手続きを勧誘されるかもしれません。
ただ診断を行ったサイト=過払い金請求の実績が豊富な事務所とは限らないので、別の事務所への依頼も可能です。
診断した事務所によっては営業電話での勧誘がしつこいこともあるので、はじめから司法書士に相談するのをおすすめします。
依頼する事務所が決まれば委任契約書を結びます。委任されると取引履歴をもとに過払い金の引き直し計算を行います。
取引履歴を取り寄せてない場合は司法書士が代行するので安心してください。
過払い金があることが判明すれば貸金業者に過払い金返還請求書と受任通知を送ります。
受任通知が届き次第、督促や取り立ては止まります。
司法書士が貸金業者の担当者と交渉を行います。和解が成立すれば手続きの開始から早いケースで4か月ほどで過払い金が返還されます。
なお貸金業者からの提示額に不満があれば裁判を行わなければなりません。
裁判の結果過払い金が決まります。裁判を行うと返還までに1年前後かかる可能性もあるので注意が必要です。
過払い金は貸金業者から依頼先の司法書士事務所の口座に送金されます。成功報酬などを差し引いた後で依頼者様の口座に振り込まれます。
司法書士に支払う費用がなくても過払い金の返還後に差し引くので安心して依頼可能です。司法書士法人杉山事務所でも過払い金の相談や着手金を無料で承っております。
過払い金の診断は無料で手軽に行えます。ただ過払い金の診断=正確な過払い金ではないので注意しなければなりません。
過払い金のシミュレーションもさまざまなケースに対応できるわけではないので、はじめから司法書士に相談をすれば正確に過払い金を伝えられることがほとんどです。
司法書士法人杉山事務所は過払い金の相談を月に3000件承っており、毎月の請求額は5億円以上です。
過払い金を100%取り戻した実績もあるので、お気軽にお問い合わせください。
大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。
杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。