給与所得者等再生とは

個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類の手続きがあります。

個人再生の中でもサラリーマンのように将来的にも安定した収入の見込みがある債務者のために給与所得者等再生という制度があります。

しかし、実際には個人事業主向けのはずの小規模個人再生の方がメリットが多いことも多く、給与所得者等再生が利用されることは比較的少ないです。

ここでは給与所得者等再生とは何か、利用する要件、どのような時に利用すべきかなどをご紹介いたします。

給与所得者等再生とは

民事再生は法人を対象としていますが、民事再生手続きを個人でも行うことができるように制度化したものが個人再生です。

そして、個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類の手続きがあります。

個人再生は基本的には小規模個人再生(個人事業主向け)ですが、借金が5,000万円以下であり、サラリーマンのように特に収入が安定してる給与所得者に対して特別に認められる個人再生手続きが給与所得者等再生です。

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給与所得者等再生の最低弁済額

給与所得者等再生の最低弁済額は次の2つの基準と清算価値の中で最も高い金額が再生金額の返済額となります。

  • 最低弁済額
  • 可処分所得の2年分

最低弁済額

最低弁済額は住宅ローンを除く借金総額によって決まる
借金の総額最低弁済額
100万円未満全額
100万円以上500万円以下100万円
500万円を超え1,500万円以下借金総額の5分の1
1,500万円を超え3,000万円以下300万円
3,000万円を超え5,000万円以下総額の10分の1

※この最低弁済金額の基準は小規模個人再生も同様です。

可処分所得の2年分

可処分所得とは、収入から税金などを差し引き、最低限の生活費を除いた額のことです。

最低限の生活費とは債務者本人、配偶者、子どもなどの扶養を受ける者の生活を維持するための費用です。

子どもが多いと扶養費も多くかかるので可処分所得は低めになる傾向があります。

「可処分所得の2年分」は最低弁済金額や清算価値よりも高くなる傾向にありますので、給与所得者等再生では可処分所得の2年分を返済することが多くなります。

清算価値

清算価値とは自己破産をした場合に債権者に配当されると見込まれる金額です。

個人再生を行うことで借金は大幅に圧縮されますが、圧縮されたとしても自己破産をした時に配当するだけの金額は最低でも支払わなければなりません。

不動産や自動車などの財産を持っている場合には、借金返済のために売却することは当然と考えるためです。

給与所得者等再生の返済期間

個人再生では裁判所に認可された金額を原則的には3年(36回払い)で分割払いしていくことになります。

ただし、事情により返済期間が5年に延ばしたり、支払いのペースを毎月ではなく数か月に1回にすることもあります。

個人再生を行った場合の返済期間は小規模個人再生であっても給与所得者等再生であっても変わりません。

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給与所得者等再生の要件

給与所得者等再生を利用する要件は小規模個人再生の要件よりも少し厳しくなっています。

しかし、ほとんどの場合では小規模個人再生の利用要件と給与所得者等再生の利用要件は大きくは変わりません。

給与所得者等再生の再生手続開始要件

給与所得者等再生の開始要件は次の5つです。

  • 住宅ローンを除く借金の総額が5,000万円を越えていない
  • 将来において継続的又は反復して収入を得る見込みがある
  • 前回の給与所得者等再生から7年以上経っている
  • ハードシップ免責をしてから7年以上が経っている
  • 自己破産をしてから7年以上経っている

要件は5つとありますが、実際には借金が5,000万円を超えておらず、安定した収入がある場合はほとんどの場合、給与所得者等再生を行うことができます。

前回の給与所得者等再生、ハードシップ免責、自己破産から7年というは、過去に個人再生や自己破産により免責を受けている場合のことであり、初めての給与所得者等再生であれば問題なく利用することができます。

給与所得者等再生の再生計画認可要件

給与所得者等再生の再生計画の認可要件は次の4つです。

  • 手続きや再生計画が法律に違反していない
  • 再生計画の遂行の見込みがある
  • 再生計画の認可・不認可に不正がない
  • 債権者の一般の利益に違反しない

給与所得者等再生でも小規模個人再生でも弁護士や司法書士に依頼することが一般的ですので、通常の手続きを行っていて問題になることはほとんどありません。

債権者の一般の利益に違反しない、というのは前述した清算価値以上の返済をするということです。

再生計画の返済金額は多く場合で可処分所得の2年分になりますが、例外的に清算価値や最低弁済金額を基準となることもあります。

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給与所得者等再生のデメリット

給与所得者等再生のメリットは「債権者による決議」がないことです。

小規模個人再生では債権者による決議が必要ですので、債権者の過半数が反対した場合には個人再生を行うことができません。しかし、給与所得者等再生では債権者の意向に関係なく行うことができます。

しかし、小規模個人再生と比較すると給与所得者等再生には次のようにデメリットが多く、実際には多くの場合で小規模個人再生が選択されます。

  • 小規模個人再生よりも返済額が多くなることがある
  • 収入の安定性の要件が厳しい

小規模個人再生よりも返済額が多くなることがある

小規模個人再生では次の2つのうち、高い方の金額で返済をすることになります。

  • 民事再生法に定める最低弁済額
  • 清算価値

清算価値とは債務者の資産の合計と言い換えることができますので、資産がない場合には民事再生法で定める最低弁済額まで借金が圧縮されます。

しかし、給与所得者等再生の場合には次の3つのうち、最も高い金額で返済をすることになります。

  • 民事再生法に定める最低弁済額
  • 清算価値
  • 可処分所得の2年分

多くの場合で可処分所得の2年分が最も高くなりますので、給与所得者等再生の返済額は小規模個人再生よりも多くなるのです。

※可処分所得の2年分の計算方法は源泉徴収票と市民税の課税証明書から計算することができます。

収入の安定性の要件が厳しい

小規模個人再生を行う場合でも3年~5年で返済するだけの定期収入が必要ですが、給与所得者等再生の場合には更に厳しい条件が求められます。

定期的に収入があり、収入の変動の幅が過去の年収と比較し20%以上の変動があるかどうかを判断しますので、サラリーマンであってもボーナスや歩合の影響が大きい場合には収入の変動の幅が大きいと判断されてしまい、給与所得者等再生が行えないことがあります。

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給与所得者等再生を利用すべきケース

多くの場合で小規模個人再生が利用されますが、次のようなケースでは給与所得者等再生の利用をお勧めいたします。

  • 債権者の半数が反対している場合
  • 反対している債権者からの借入額が総借入額の半分を超える場合

債権者の半数が反対している場合

小規模個人再生では債権者の過半数が反対をした場合には利用することができません。

予め債権者の半数が反対することが分かっている場合や小規模個人再生を行ったが債権者の決議により反対をされた場合には給与所得者等再生を利用するのもよいでしょう。

給与所得者等再生であれば債権者の反対があっても要件さえ満たし、裁判所が認めれば利用することができます。

反対している債権者からの借入額が総借入額の半分を超える場合

小規模個人再生の債権者決議では、債権者が持っている債権額の過半数以上の反対があった場合にも認可されません。

極端な話ではすべての借金の51%を持っている1人の債権者が反対するだけでも小規模個人再生を行うことができないのです。

大口債権者の反対が予想される場合には給与所得者等再生を利用するようにしましょう。

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小規模個人再生との違い

給与所得者等再生と小規模個人再生はどちらも個人再生ですので似ている手続きではありますが、いくつかの点で違いがあります。

要件の違い

要件で大きく違うのは収入の安定性と過去に自己破産や個人再生を行っているかどうかです。

給与所得者等再生では年収比較で20%以上の変動幅がある場合には利用できないことがあります。

また、過去7年間に自己破産、ハードシップ免責、給与所得者等再生をされている場合には給与所得者等再生は行うことができません。

小規模個人再生でも収入は必要ですが、それほど厳しい判断はされませんし、過去の債務整理の利用は問われません。

返済金額の違い

給与所得者等再生の場合には可処分所得の2年分をもとに再生計画を作ることになるのが一般的です。

最低弁済額、清算価値、可処分所得の2年分の3つの中で最も高くなる金額で再生計画で立てる必要があるからです。

小規模個人再生の再生計画は最低弁済額と清算価値だけを考慮すればよいので、返済額が安くなることが多く、通常、個人再生を行う場合には小規模個人再生を行うことになります。

債権者による決議があるかどうか

小規模個人再生では債権者による決議が必要ですので、債権者の意見により否決され個人再生できないということがありえます。

給与所得者等再生では債権者の意向による影響は少なく、裁判所の認可だけで手続きを進められます。

ただし、一般的に債権者による決議で積極的に秘訣をしてくる貸金業者は少なく、多くの場合で返済金額が少なくなる小規模個人再生が選ばれます。

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給与所得者等再生を利用できる人、利用できない人

給与所得者再生では給与所得があり、収入変動の幅が小さければ誰でも利用することができます。

ただし、給与でなくても給与に近い定期収入の場合でも利用は可能です。

給与所得者等再生を利用できる人

給与所得者等再生を利用できる人は次のような人です。

  • 会社員、公務員
  • アルバイト、パート、契約社員、派遣社員
  • 年金受給者

会社員、公務員

会社員や公務員は給与所得者ですので給与所得者等再生を行うことができます。

ただし、収入の変動の幅が20%を超える場合(ボーナスや歩合の影響が大きい場合)には利用できないことがあります。

アルバイト、パート、契約社員、派遣社員

アルバイト、パート、契約社員、派遣社員などの正社員ではない、いわゆる非正規雇用者であっても給与所得者等再生を行うことは可能です。

ただし、転職を繰り返している場合や返済計画を立てるのに収入が足りない場合の利用は困難です。

年金生活者

老齢年金は給与ではありませんが、給与に近い定期収入と判断されますので給与所得者等再生を行うことができます。

ただし、年金受給であっても返済計画を立てるのに十分な収入は必要です。

給与所得者等再生を利用できない人

次のような人は給与所得者等再生を利用できません。

  • 自営業者
  • 収入が不安定な人
  • 無収入の人
  • 生活保護受給者

このような場合には小規模個人再生を検討するか、自己破産をお考えください。

自営業者

自営業者は原則的に給与所得者等再生は利用できません。

小規模個人再生であれば利用できます。

収入が不安定な人

収入が不安定である場合には、利用要件の収入の20%以上の変動があると判断されることが多く、利用が難しいといえます。

ただし、収入が不安定であっても返済計画を立てられるだけの収入があれば小規模個人再生の利用ができる可能性はあります。

無収入の人

収入がない場合には返済計画を立てることができません。

自己破産を利用するようにしましょう。

生活保護受給者

生活保護を受給している場合、継続した収入とは判断されず個人再生を行うことは難しいでしょう。

ただし、生活保護を受給している場合の自己破産はデメリットが少ないため、おすすめです。

代表司法書士杉山一穂近影
  • 司法書士法人杉山事務所
  • 代表司法書士 杉山一穂
  • 大阪司法書士会 第3897号

大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。

杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。

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