個人再生をすると官報に3回載る!?掲載期間は?消す方法はある?

個人再生や自己破産をすると官報に載ってしまう、そういう理由で債務整理を避けている人は一定数います。

個人再生は借金を大幅に減額でき、自宅を残したままでも手続きができる非常に有効な債務整理です。一方、官報には個人情報が載りますが、果たして官報に載ることはそこまで大きなデメリットなのでしょうか?

実は、官報に載っても周囲に知られることはほとんどありませんので、それほど大きなデメリットにはならないというのが通常です。

官報に載ることで家族や職場に借金や個人再生のことがバレる、秘密にできないと思って躊躇されている方は官報に載るデメリットをよく理解した上で手続きを取るようにしましょう。

官報とは

個人再生は借金の減額効果が大きく、借金問題を解決させるための有効な手段ですが、官報に載るというデメリットが嫌で個人再生を避けているという人は多いようです。

個人再生を行うと手続き開始から終了までに3回、官報に載ります。

では、官報に載ることは個人再生をしないというほど悪いデメリットなのでしょうか?官報がどのようなものなのかをご紹介いたします。

官報による公告とは?

官報とは国が発行する機関誌です。

独立行政法人国立印刷局が発行を行っており、法令の公布や官公庁の報告のような広報、広告などが行われてますので政府による新聞のようなものです。一般の方への認知度は低いですが、休日を除き毎日発行されています。

この官報により裁判所の広告がなされ、裁判所の公告事項の中に個人再生が含まれますので、個人再生に関することも官報による公告されます。

官報を読むのはどんな人?

官報を読んでいるのは次のような機関に所属する人です。

  • 金融機関
  • 信用情報機関
  • 区や市役所の税担当者
  • 闇金業者

一部の金融機関や信用情報機関は官報に掲載されている情報を審査に用いたりデータベースに登録したりするため、毎日確認しています。

意外なのは闇金業者ですが、これは官報に載るとブラックリストに載り借り入れができなくなるのが普通ですが、闇金業者は官報を見た上で記載の住所に「ブラックでもお金は借りられる」というDMを送ってくるのです。

個人再生を行うと官報に載り、家族や職場に知られてしまうと考える人もいますが、上記のような金融機関や信用情報機関に勤務でもしていない限り目に触れることはまずありえないと言ってよいでしょう。

もし官報を読んでいるとしても、あまりの情報の膨大さに特定の個人を見つけるのは困難です。

官報に個人再生の情報が掲載される理由

官報には裁判内容が記載されています。裁判内容の1つとして個人再生を行った人の情報が掲載されますが、これは債権者に対して、債権届け出を促したり、個人再生手続きで提出された再生計画に異議を申し立てたりと、個人再生への参加の機会を与えることが目的です。

官報はどこで読めるのか

官報は普通の人が読む新聞ではありませんので、閲覧するためには以下のような方法を取る必要があります。

  • 官報販売所
  • 大きな図書館
  • インターネットによる無料閲覧(30日間)
  • 有料の官報検索サービス

官報に掲載される期間

官報に掲載される期間は、インターネットの無料版、インターネットの有料版、書面の官報によって異なります。

インターネットの無料版は簡単に見ることができますが、30日間限定です。30日を過ぎると見ることはできません。

インターネットの有料版は過去に遡って閲覧することができますが、普通の人が目にする機会はまずないでしょう。

書面の官報であれば大きな図書館には保管されていますので、過去のものも閲覧可能です。

個人再生をしたことが官報公告されるとどうなるのか?

個人再生を行うと官報に住所と氏名が載ります。官報は誰でも閲覧可能ですので、結果的に個人再生を行うと借金をしていたことや債務整理をしたこと(お金に困っていること)が周囲に知られてしまうと考える人もいます。

しかし、実際には官報は毎日発行されており、インターネットでの無料閲覧も30日間に限定しています。大きな図書館に行って過去の官報まで調べる人や有料版のインターネット官報を見る人は一部の職種の人に限定され、普通の人が見ることは皆無といってよいでしょう。

もし知られるとすれば特定の公務員、金融機関、信用情報機関、法律事務所、会計事務所などに勤務している人に限られます。

このことから個人再生をお困ったことが周囲に知られることはまずありません。

なお、官報に住所と名前が載ると闇金業者からDMが届くようになりますが、お金を借りるのは避けましょう。

官報に掲載されるタイミング

個人再生を行うと計3回官報に載ることになります。

具体的には、次の場合に官報公告されることになります。

  • 個人再生の再生手続開始の決定時
  • 書面決議の決定(小規模個人再生)または、意見聴取の決定時(給与所得者等再生)
  • 再生計画認可の決定時

※実際には、決定がなされてから約2週間後の発行日の官報に掲載されます。

1回目:個人再生手続き開始の決定時

1回目は、裁判所が「個人再生手続き開始」の決定を下したときです。この住所に住んでいる債務者が個人再生の手続を開始した旨と、何月何日までに債権を届け出るようにという内容を債権者に知らせるために掲載されます。

具体的に官報に載るのは次のような内容です。

  • 事件番号 令和〇年(再イ)第〇号
  • 債務者の住所・氏名
  • 決定年月日時
  • 主文 再生債務者について小規模個人再生による再生手続を開始する
  • 再生債権の届出期間 令和〇年〇月〇日まで
  • 一般異議申述期間 令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇日まで
  • 管轄裁判所及び支部

2回目:書面決議または意見聴取の決定時

個人再生の手続きには、小規模個人再生と給与所得者等再生の2つがあります。2回目の官報への掲載は、小規模個人再生では再生計画案について行う書面決議時、給与所得者等再生では意見聴取の決定時です。

具体的に官報載るのは次のような内容です。

書面決議に付する決定の時

  • 事件番号 令和〇年(再イ)第〇号
  • 債務者の住所・氏名
  • 決議に付する再生計画案 令和〇年〇月〇日付け再生計画案
  • 再生計画に対する回答期間 令和〇年〇月〇日まで
  • 決定日付と管轄裁判所及び支部

意見聴取の決定の時

  • 事件番号 令和〇年(再ロ)第〇号
  • 債務者の住所・氏名
  • 意見聴取に付する再生計画案 令和〇年〇月〇日付け再生計画案
  • 書面で意見を述べることができる事項 民事再生法241条2項各号(再生不認可とするのが相当な事由)に定める事由
  • 書面の提出期間 令和〇年〇月〇日まで
  • 決定日付と管轄裁判所及び支部

3回目:再生計画が認可された時

書面決議あるいは意見聴取が問題なく終了すると、裁判所が再生計画の認可を行い、3回目の官報への掲載が行われます。

官報に掲載された日の翌日から2週間が経過すると、認可決定は確定し、その確定日の含まれる月の翌月から、再生計画に沿った借金の返済が開始となります。

  • 事件番号 令和〇年(再ロ)第〇号
  • 債務者の住所・氏名
  • 意見聴取に付する再生計画案 令和〇年〇月〇日付け再生計画案
  • 書面で意見を述べることができる事項 民事再生法241条2項各号(再生不認可とするのが相当な事由)に定める事由
  • 書面の提出期間 令和〇年〇月〇日まで
  • 決定日付と管轄裁判所及び支部

官報に掲載される情報について

事情により居所を公開したくないという人も多いはずです。しかし、原則的には官報には居所を記載する必要があり、拒否することはできません。官報は公開されている情報ですが、閲覧者は限定的であり、掲載情報は限定的ではあります。

掲載を拒否することはできない

事情がある場合でも官報への掲載を拒否することはできません。理由がありどうしても住所や名前を出したくないという人は、任意整理や特定調停など官報に載らない債務整理を検討する必要があります。しかし、掲載による影響はほとんどないため、大きな心配する必要はありません。

官報に掲載された情報を見る方法

実際に官報に掲載された内容が気になるという場合には次の方法で閲覧することができます。

インターネットで確認する

インターネットにより官報を無料で確認することができます。しかし、閲覧できるのは30日間限定ですので、古い情報の場合には調べることはできません。有料版であれば古い官報も閲覧可能です。

紙面で確認する

古い情報を確認したい場合や紙面で見たい場合には大きめの図書館に行けば保管しています。閲覧はもちろん無料ですが、件数が膨大ですので調べるのがかなり大変です。

官報に掲載デメリットはあるか?

繰り返し述べているように官報に記載されたからといって周囲に知られることはまずありません。しかし、官報に掲載されることによるデメリットはあるので注意が必要です。

周囲に知られるリスクは低い

公的な出版物に半永久的に記録される、となれば不安を感じるのは当然ですが、前述しているように過去の官報を確認するには大きな図書館へ行き膨大な資料を調べるか、有料版のインターネット官報を利用するしかありません。

無料でも調べることはできますが、掲載されているのは30日間と極めて限定的です。官報に掲載されていることが家族や勤務先にバレるということは考えにくいでしょう。

債務整理について調べている人か業界の人でなければ官報ということバスラ聞いたことがないという人も多数います。それほど一般的には知られていないのが官報です。

官報掲載のデメリットは2つ

官報に掲載されたとしても家族や勤務先に知られることはまずありません。しかし、官報掲載には次のようなデメリットもあります。

  • カード審査やローン審査に影響する
  • 闇金業者からのDMが届く

クレジットカードやローン審査に影響する可能性がある

金融業者の中には官報を確認し、都度、信用情報に利用している会社があります。一部のクレジットカード会社は過去の債務整理状況をデータベース化していますので、将来的にカード審査やローン審査の時に不利になる可能性があります。

闇金業者からのDMが届く

官報に住所と名前が載ると、闇金業者からDMが届くようになります。個人再生をして借金問題を解決できたのに闇金にお金を借りてしまってはまた借金に困ってしまいます。特に個人再生後の借金はしないようにしましょう。

官報に掲載された情報を消す方法

官報に自分の住所と名前が載っていい気はしません。しかし、官報は新聞と同じですので、消したいと思っても一度載ると消すことはできません。

個人再生後に官報に載るのは3回だけ

前述していますが、個人再生を行うと官報には3回載ります。3回載った後には官報に載ることはありません。

しかし、信用情報機関は官報の情報を集め、登録しています。いわゆるブラックリストに載るという状態です。

官報から信用情報機関に載った場合、5年~10年で削除されると言われていますので、最低でも5年待たなければ新しいクレジットカードの発行や住宅ローン・自動車ローンを組むことは難しいでしょう。

信用情報に誤った情報があれば訂正できる

信用情報機関は官報の情報を集め、登録しています。しかし、極稀に誤った登録をすることがあります。官報に載った情報を削除したり、修正したりすることはできませんが、信用情報機関に登録されている情報であれば修正や削除が通ることもあります。

修正や削除の手続きは信用情報機関によって異なりますのでシー・アイ・シー(CIC)、日本信用情報機構(JICC)、全国銀行協会(KSC)それぞれに確認する必要があります。

任意整理の場合は官報に載らない

債務整理のうち、個人再生や自己破産をすると官報に載ります。しかし、同じ債務整理でも任意整理を行った場合には官報には載りません。これは任意整理が債権者と債務者の間での話し合いによる和解だからであり、裁判所を介さないためです。

官報に載ることをどうしても避けたいという場合には任意整理を検討するのもよいでしょう。

個人再生と任意整理の違い

個人再生は裁判所を通して借金を大幅に減額する手続きですが、任意整理は話し合いにより利息を免除してもらう手続きです。そのため、減額の幅が大きく異なるほか、官報に載るかどうか、ローンを組んでいて手放すものがあるかどうかなどの点で異なります。

借金が多すぎる場合には個人再生をおすすめしますが、自力で返還が可能な場合には任意整理もご検討ください。

特定調停も官報に載らない債務整理

自己破産と個人再生を行うと官報に載りますが、任意整理以外にも特定調停という債務整理でも官報に載らずに手続きを進めることができます。

任意整理と特定調停は債権者と債務者が話し合いにより返済期間や返済額を決めるという点では非常に似ていますが、特定調停は裁判所を介するという点で任意整理と大きく異なります。

特定調停を行う場合には費用はほとんどかかりませんので、費用を可能な限り抑えたいという場合にはよい手続きですが、必ずしも自分に有利な和解を組めるとは限りません。

代表司法書士杉山一穂近影
  • 司法書士法人杉山事務所
  • 代表司法書士 杉山一穂
  • 大阪司法書士会 第3897号

大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。

杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。

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