個人再生手続きの流れ

借金返済が難しくなり、債務整理を考えた時に、自己破産では財産がなくなってしまうため自宅を残すことができず、任意整理で解決するには借金額が大きすぎるということもあります。

そんなときには裁判所を介して個人再生手続きをとることで借金を5分の1に圧縮し、3年~5年で分割返済するということが可能になります。

個人再生手続きの流れをご紹介いたしますので最後までご一読ください。

個人再生の流れ

お問い合せ 事務所でのご面談

まずは杉山事務所にご連絡ください。電話、メールどちらでも無料相談を受け付けております。

司法書士がお客様と直接お話をお伺いします。相談者様が抱えている不安などはお気軽にご相談ください。

個人再生の委任

お話を伺い、受任いただける場合には司法書士と相談者様の間で「個人再生委任契約」を締結させていただきます。

個人再生にかかる費用は、住宅ローンがあるかどうかによって変わってきますが、30万円~35万円ほど掛かります。その他にも予納金、保管金、印紙代などが掛かりますので詳しくはお問い合わせください。

 

金融業者へ受任通知を発送・取引履歴の開示

相談者様から受任をいただきましたら、「内容証明郵便」にて当事務所が介入した旨を通知します。この時、同時に金融業者に対して、全ての取引履歴の開示も手続きします。受任以後は、相手との具体的な交渉や手続きなどは全て当事務所が行ないます。

受任通知が到達した時点で金融業者からの取り立てはストップします。

「受任通知」到達後、1週間から4週間程度で各金融業者から「取引履歴書」が当事務所に届きます。この取引履歴をもとに相談者様の借金の総額を確定し、同時に財産の状況を確認します。

この取引履歴を元に過払い金があるかどうかも確認し、取り戻せるお金がある場合には過払い金請求を行います。

この段階で債権調査、収支や家計の調査、財産や資産の調査も行い、小規模個人再生と給与所得者等再生のどちらを行うのかを選択します。

申立書の作成・裁判所へ申立

裁判所に提出する申立書等の必要書類を作成します。

申立書には小規模個人再生を行うのか、給与所得者等再生を行うのかを記載し、住宅ローンが残っている場合には住宅資金特別条項という制度を利用する旨を記載します。

裁判所に申立書の他、家計簿、支出が分かる書類、財産目録、債権者一覧表、住宅ローンに関する資料などを管轄の裁判所に提出します。申し立て書類の作成から提出までは2週間から1ヶ月程度です。

また、この時に収入印紙で裁判所に手数料を支払い、郵便切手を添付する必要があり、申し立て受理後には官報公告の予納が必要にばります。

再生委員との面談・再生手続き開始決定

裁判所内で個人再生委員と面談し、収入や今後の支払いについての質疑応答を行います(東京地方裁判所では原則、個人再生委員が選任されますが、他の裁判所では個人再生委員が選任されない場合もあります)。

個人再生委員から裁判所に個人再生手続きを開始すべきかどうかの意見書を提出し、問題がなければ申し立てから4週間程度で個人再生開始決定がされます。

債権届出・債権者の異議申し立て受付

裁判所が金融業者に対し個人再生の開始決定書が送付され、債権を届け出るように通知がなされます。

債権者から送付された債権届け出に記載のある金額を元に、その再生債権の金額を認めるかどうかの認否をする「債権認否一覧表」を提出します。各金融業者に対して一定の期間内に債権額などについて異議がある場合は申し出るように通知します(期間は裁判所が定めます)。

再生計画の提出

再生債権額が決まると今度は再生計画案を作成します。この計画案には返済の開始時期、返済期間、返済金額、返済方法、住宅資金特別条項を利用するかなどの記載をする必要があります。

この再生計画案は指定された期限内に提出する必要があるのですが、期限を過ぎてしまうと再生手続きが廃止となり、個人再生ができなくなりますのでご注意ください。

書面決議(小規模個人再生のみ)

小規模個人再生を行う場合には、再生計画に賛成か反対かを各金融業者に確認します。この際に金融業者の半数以上または債務総額の半額を超える債権を有する金融業者からの反対があれば、再生計画を再提出しなければなりません。

ただし、給与所得者等再生ではこの手続きは行われません。

認可・不認可の決定

裁判所で再生計画通りに返済する見込みがあるかどうかを判断し、再生計画を認可するか、不認可とするかの決定が行われます。

認可されれば再生計画に従って借金を返済していただくことになりますが、不認可の場合は他の債務整理の方法を検討することになります。

認可決定(または不認可決定)がされると決定日から約2週間後に官報に掲載されます。この官報公告から2週間が経過すると認可決定が確定します。

個人再生手続き完了後は、計画通りに返済をすれば完済となりますが、途中に支払いができなくなるというようなことがあれば再生計画を取り消されてしまうということもありますのでご注意ください。

個人再生にかかる期間

個人再生にかかる期間は、個人再生委員が選任されるかどうかで変わってきます。

東京地方裁判所では個人再生委員が選任されるのが原則です。再生委員が選任された場合には6か月程度で再生計画が認可されますが、再生委員が選任されない場合には3か月程度で認可が決定されることもあります。

個人再生申し立て前の調査について

個人再生を行うためには裁判所に財産がどの程度あるのかを提出する必要があるため、申し立て前に各種調査が必要です。

行われる調査は主に下記の3つです。

  • 債権調査
  • 収支・家計の調査
  • 財産・資産の調査

債権調査

貸金業者に取引履歴を開示してもらい、自分がいつ、いくら借りて、いくら返したのかを調査します。

この取引履歴を元に引き直し計算を行い、利息制限法の上限金利(15%~20%)の通りに債権額を確定します。

引き直し計算の際に過払い金が発生していることが分かることもあります。この場合には過払い金請求を行います。

貸金業者により異なりますが、この取引履歴の開示には1ヶ月~3ヶ月程度の時間が掛かります。

収支・家計の調査

個人再生は借金を5分の1に圧縮し、残りを原則3年で返済する手続きです。そのためにはある程度の金額で継続した収入が必要です。

そのため、収入、支出、家計状況などを調査することで返済が可能かどうかを判断します。

必要書類として給与明細、源泉徴収票、確定申告書、課税証明書、退職金見込証明書、賃貸借契約書、同居人の源泉徴収票、家計簿などの提出が必要です。

財産・資産の調査

個人再生には清算価値保障原則というものがあります。

自己破産をした場合には財産を換金し配当として返済しなければなりませんが、個人再生の場合では自己破産以上の配当をしなければならないという原則です。

資産額が計画弁済総額に影響するので財産状況を調べる必要があります。必要書類としては、通帳、保険証券、車検証、不動産登記簿謄本、財産の査定書などがあります。

履行テストとは

個人再生は手続き後には債務者が直接債権者に対して3年間の分割返済をしていく手続きです。

そのため、計画通りに問題なく返済ができるのかを判断するために履行テスト(履行可能性テスト、積み立てトレーニングともいいます)を行う場合があります。

個人再生委員が開設した口座に対して、返済計画と同じ額を入金をすることで返済能力を確認します。テスト期間は裁判所によって違いますが6か月程度(東京地方裁判所の場合)です。このテスト期間に返済ができないということがあれば、計画通りの返済は難しいと判断されてしまい、個人再生を認めてもらうことはできません。

返済期間の延長が認められる場合

個人再生は借金を5分の1に減額し、原則3年で分割返済をしてく手続きです。しかし、特別な事情があれば5年での分割返済をすることも可能です。

特別な事情というのは裁判所の判断になりますので一概には言えませんが、一例としては家族への医療費や養育費が大きな負担になっている場合や失業により収入が大きく下がった場合などがありえます。

逆にギャンブルや浪費の場合には特別な事情とは認めらづらい傾向にあります。

個人再生を検討される場合、弁護士や司法書士などの法律家のアドバイスが役立ちます。ご自身だけで悩まずに、まずは杉山事務所の無料相談をご利用ください。全力で解決までのサポートをさせていただきます。

代表司法書士杉山一穂近影
  • 司法書士法人杉山事務所
  • 代表司法書士 杉山一穂
  • 大阪司法書士会 第3897号
  • [プロフィール]

大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。

杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。

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