司法書士が扱える140万円の判断基準と具体例

司法書士は簡易裁判所における訴額が140万円までの民事事件の相談・和解・代理を取り扱えます。これは司法書士法第3条に基づいており、過去に裁判では「140万円」の判断基準について争われました。

司法書士法人杉山事務所が司法書士の基本業務や140万円の判断基準、過払い金請求の概要と司法書士が扱える過払い金請求の具体例をわかりやすく解説します。

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司法書士は取り扱えるのは訴額140万円以下

司法書士は簡易裁判所における訴額140万円以下の民事事件の相談・和解・代理を取り扱えます。これは司法書士法第3条に基づくものです。違反すると非弁行為として刑事罰が課されます。

正確には、法務大臣の認定を受けた「認定司法書士」のみが対応でき、2020年4月1日現在、日本司法書士会連合会会員2万2724人中、77%の1万7475人もの会員が「認定司法書士」として活動中です。

補足として以下・未満・以上・超の定義は次のようになります。

  • 140万円「以下」……140万円を含む、~140万0000円
  • 140万円「未満」……140万円を含まない、~139万9999円
  • 140万円「以上」……140万円を含む、140万0000円~
  • 140万円「超」……140万円を含まない、140万0001円~

司法書士の基本業務

司法書士の主な基本業務は法律によって次の3つとなっています。

  • 登記または供託手続きの代理や相談
  • 裁判所などに提出する書類の作成や相談
  • 簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解などの代理や相談(認定司法書士の場合)

業務の中には、債務整理や過払い金請求も含まれます。

140万円の判断基準

司法書士が扱える140万円の判断基準は次の2つです。

  • 個々の債権額で判断されたか
  • 手続き債務者が受ける利益ではなく元金で判断されたか

つまり、140万円を各債権者ごとに判断し、かつ元金で判断すべきことを表しています。

個々の債権額とは

借金総額ではなく個別に140万円かを判断する
債権者元金
A社100万円
B社130万円
C社150万円

「借金の総額ではなく個々の債権額で判断されたか」とは、借金の合計が140万円以下か否かではなく、各債権者ごとに140万円以下か否かを判断するということです。

借金の総額ではなく個々の債権額で140万円以下か否かを判断する

上表の場合、司法書士が扱える範囲はA社とB社のみです。C社は140万円以上なので対応できません。

債務整理や過払い金請求の元金とは

手続き後の残債が50万円の場合の債務者が受ける利益
債権者元金債務者が受ける利益
A社100万円50万円
B社120万円70万円
C社150万円100万円

「債務整理や過払い金請求によって債務者が受ける利益ではなく元金で判断されたか」とは、債務整理や過払い金請求を行ったことで債務者が受けられる利益が140万円以下か否かではなく、そもそもの元金で140万円か否かで判断するということです。

上表の場合、C社に手続きをして受ける利益は100万円ですが、元金は100万円ですのでC社を司法書士が受けることはできません。

司法書士が扱える具体例

実際に司法書士が扱える過払い金請求は広範囲に渡ります。

元金が140万円を超える案件は司法書士は受けられない
債権者元金債務者が受ける利益
A社50万円40万円
B社100万円90万円
C社150万円140万円
合計300万円 

上の例の場合、司法書士が扱えるのはA社・B社です。C社は元金が140万円以上なので対応不可となります。

合計300万円の部分や債務者が受ける利益40万円、90万円、140万円は考慮しなくても問題はありません。

そもそも過払い金とは

過払い金とは消費者金融やクレジットカード会社などに対して支払いすぎていた利息を指します。

過払い金が発生している可能性が高いのは以下の2つを満たした場合です。

  • 平成22年6月17日以前に貸金業者からお金を借りた人
  • 最後に返済した日から10年以内の人

平成22年6月17日以前、貸金業者がお金を貸す際には、利息制限法上限金利15%~20%から旧出資法の上限金利29.2%間の金利で設定できました。高金利でも刑事罰の対象とはならなかったのです。

しかし、出資法が平成22年6月18日に改正されたことにより、いわゆるグレーゾーン金利が廃止され、支払いすぎていた金利を請求できるようになりました。

加えて、過払い金には時効があります。最後に返済をした日から10年過ぎると、過払い金があっても取り戻せません。

自分に合った事務所の探し方

過払い金請求を依頼する際に、自分に合った事務所の探し方として4点を見極める必要があります。

  • 対応が親切・丁寧か
  • 過払い金請求の実績が豊富か
  • 費用は明確か
  • 裁判が前提か

対応が親切・丁寧か

多くの事務所で、過払い金請求の無料相談を行っています。そこでの対応や無料相談後の対応が親切で丁寧なものかどうかを見極めることは重要です。

過払い金請求を依頼するようにしつこく要求してきたり、電話と書類のみで進めようとしたりする場合は、事務所を変えることも視野に入れましょう。

加えて、弁護士・司法書士が対応せず、事務員で手続きを終わらせようとする事務所に依頼するのもリスクがあります。こういった対応は依頼者を第一に考えていないことの表れです。

まずは、無料相談にて自分の話をよく聞いてくれるかどうか、聞いたことに対して明確に説明してくれるかどうかを見極めましょう。

過払い金請求の実績が豊富か

過払い金請求の実績が豊富であれば、手続きもスムーズに進み、高い返還率で過払い金を取り戻せる可能性が高くなります。

弁護士・司法書士にはそれぞれに得意・不得意分野があり、過払い金請求を扱っていないところも少なくありません。専門外としている事務所だと手続きがスムーズに進まなかったり、返還できる過払い金が少なくなったりするリスクがあります。

過払い金請求が滞りなく進み、満足できる形で過払い金を取り戻すことができれば、家計のやり繰りに対する不安の軽減も見込めるのです。

費用は明確か

着手金や成功報酬、追加費用について、過払い金請求の手続きに入る前に明確に提示してくれるかどうかも、事務所選びにおいて重要な点です。

特に追加費用に関しては、手続きを進めていく上で致し方なく発生してしまうことも少なくありません。追加費用が発生してから依頼者に説明するのでは、依頼者を第一に考えていない証拠と言えます。

裁判が前提か

裁判を前提に話を進めてくれるかどうかも、弁護士・司法書士の実力が問われる部分です。過払い金請求は、裁判に持ち込んだ方が過払い金を多く取り戻せる可能性が高くなります。

依頼者の利益を一番に考える事務所であれば、時間と労力がかかる裁判も視野に話を進めてくれますが、自分たちの利益を優先する事務所であれば、裁判を避けることもあり得るのです。

弁護士が必ずしも有利というわけではない

過払い金請求において弁護士が必ずしも有利であるとはいいきれません。司法書士が扱える範囲が簡易裁判所までで140万円以下との制限があるのみで、ほとんどの司法書士は対応可能です。この「140万円以下」は借金の合計ではなく個々の債権ごとに判断できます。

さらに、司法書士の方が費用が安く抑えられる傾向にあります。

そのため、弁護士に依頼すれば安心できるという訳ではなく、自分に合った事務所の選び方も踏まえて依頼先を決めるべきです。

司法書士法人杉山事務所には、過払い金請求の確かな実績があります。無料相談を承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

代表司法書士杉山一穂近影
  • 司法書士法人杉山事務所
  • 代表司法書士 杉山一穂
  • 大阪司法書士会 第3897号
  • [プロフィール]

大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。

杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。

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