自己破産のデメリット・メリット

自己破産とは、債務者が裁判所に申立てをし、裁判所が申立てをした人が現在保有している財産と生活状況を総合的に判断して、借金を返済することが不可能であると認めた場合に、借金の支払いを全額免除してもらえる制度です。

自己破産のデメリット

  1. 生活に必要な最低限の財産を除いた、家や自動車などの一定の財産は処分されます。
  1. 自己破産の手続きが終わるまでは一定の職業に就くことができなくなります。また破産者が企業の取締役などであった場合には役職を解かれることになります。
    就けない職業としては、弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、弁理士、公証人、宅地建物取引業者、証券会社外交員、質屋、古物商、風俗営業者、生命保険募集人、損害保険代理店、警備員、建設業者、後見人、などがあります。
  1. ブラックリスト(事故情報)に載るため、手続き後一定の期間(5~7年程度)は新規の借入れができなくなります。
  1. 借金の原因によっては自己破産が認められないことがあります。たとえば、借金の原因がギャンブルや浪費、損害賠償金などであった場合、自己破産は認められません。
  1. 住所と氏名が官報という国が発行する機関誌に掲載されます。一般の方が読まれることは稀なので周囲の方に気づかれることは非常に少ないですが、公開されてしまう、ということはご理解ください。

デメリット1.一定の財産が処分される

自己破産をすると一定の財産が処分されてしまいます。

処分される財産は自宅や自動車はもちろん、20万円を超える財産や99万円を超える現金などです。

よく自己破産をすると家具をすべて処分されてしまう、自己破産後の生活はどうなるのかと不安に思われている方もいますが、売却や換金した際に20万円を超える財産というのは意外に少なく、実際には自己破産をしたからといって家具がすべて持っていかれるということはありません。逆に自宅や自動車以外には自己破産で処分されるほど高価なものはほとんどないということもよくあります。

ただし、生命保険や学資保険などの積み上げてきたものや有価証券、ゴルフ会員権などがあれば手放す覚悟は必要です。

家にある一切のものが処分されると思われている人もいますが、自己破産をしたからといって生活するのに困ることはほとんどないとお考えください。

デメリット2.一定の職業に就けなくなる

自己破産をすると一定の職業に就けなくなります。

ここでも勘違いされがちですが、自己破産をすると失業する、会社をクビになるというわけではありません。自己破産手続きを始めてから終わるまでの間、就けない職業があるという意味です。

そのため、自己破産手続きを開始してから数か月~1年程度で元の仕事に戻ることは可能です。とはいえ、一定期間であっても職業に就けないというのは死活問題だと思いますので、実際に自己破産を検討されている方は自己破産をするとどうなるのか、自己破産手続きの期間はどの程度かかるのかは事前に確認しましょう。

自己破産中に就けない仕事としては、弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、弁理士、公証人、宅地建物取引業者、証券会社外交員、質屋、古物商、風俗営業者、生命保険募集人、損害保険代理店、警備員、建設業者、後見人などがあります。さらに企業の役員に就くこともできませんので、自己破産をする場合には役職を解かれることになります。

デメリット3.ブラックリストに登録される

自己破産に限らず、債務整理をするとブラックリストに載ります。

ブラックリストに載っているので、自己破産後には新規借り入れをすることはできませんし、クレジットカードを発行することもできなくなります。住宅ローンや自動車ローンを組むこともできません。しかし、ブラックリストに載っている期間は5年~10年程度といわれており、いつまでも信用情報機関に事故情報があるわけではありません。

ブラックリストから除外されれば新規借り入れ、クレジットカードの発行、ローンを組むことなどができるようになります。

ブラックリストに載ると連帯保証人になれなくなる、賃貸物件の審査に通りづらくなる、家賃保証会社の審査に落ちるなどの情報もございますが、これらはブラックリストに載っているために起きているわけではなく、各々の機関で審査を行った上での判断です。ブラックリストに載ったからといって連帯保証人になれない、賃貸物件が借りられない、家賃保証会社の審査に落ちるということはありません。

ただし、借金の連帯保証人のように信用情報機関を審査に利用する場合や賃貸物件や家賃保証会社の審査であっても信販会社が関わる場合にはブラックリストに載ることで審査に落ちることがあります。

デメリット4.認められないことがある

自己破産は認められないことがあります。

免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)とよびますが、財産を隠したり、借金の理由がギャンブルや浪費だった場合には自己破産ができないことがあります。

自己破産をする場合には自身が持っている財産すべての一覧出さなくてはなりません。財産を隠すつもりがなくとも、子供の預金を自分がお金を出した場合、配偶者名義の自動車の購入の際に自分がお金を出した場合でも自身の財産となります。

また、過去に借金をしていた場合には過払い金があるかもしれませんので、過去に借金をしたことがある場合には過払い金を調査した上で財産目録を出す必要があります。

実際には自己破産手続きをする際にはほとんどの場合で免責がおります(自己破産できます)。これはある程度は裁判官の裁量で免責するかどうかを決めることができるからです。もしギャンブルや浪費を行ったとしても借金の理由のすべてがギャンブル、浪費ではないと判断してくれることもあります。

免責が不許可にならないためにも、自己破産は弁護士か司法書士に任せましょう。

デメリット5.官報に載る

自己破産をすると官報に住所と氏名が載ります。官報というのは政府が発行している機関誌で新聞のようなものです。

通常、官報を読んでいるのは特定の職業に就いている人だけですので、官報に載ることで家族や勤務先など周囲にバレるということはほとんどありません。

ただし、闇金業者などは官報を見た上で「ブラックリストに載っていても借金できる」ことをダイレクトメールで送ってくることがありますのでご注意ください。

上記以外のデメリット

自己破産の大きなデメリットは上記5つですが、他にもたくさん挙げられます。

例えば、自己破産をすると郵送物は破産管財人に中身を調査されたり、破産管財事件の場合には手続き中は許可なく居住地を離れることができなかったりします。居住地を離れることができないというのは許可がなく引っ越しできない、手続き中は海外にはいけないなどの制限が出てきます。

また、自己破産手続きをすると借金の保証人に対して一括支払いの請求が届きますので保証人に迷惑が掛かります。場合によっては自己破産をしたことで保証人も一緒に自己破産をしなければならない、という可能性もあります。

さらに自己破産をするには家族や同居人に関する書類も必要になり、内緒にしていた借金がバレるという可能性もありますし、自己破産後にはローンを組めないために住宅購入が遅れるということもありえます。

自己破産のメリット

  1. 任意整理や個人再生と違い、手続き終了後は借金を返済する必要はありません。
  1. 自己破産の手続き終了後に得た財産や収入については自由に管理、処分することができます。
  1. 自己破産の手続き後も、生活に必要な財産は残すことができます。その後の生活ができなくなってしまうということはありません。

自己破産のメリットは大きく3つ

自己破産のデメリットは大きいですが、手続きさえ行えば借金がすべてなくなります。任意整理では利息がカットされるだけですので借金は減りません。個人再生では借金が大きく減額できますが、5分の1になるのが原則です。

その点、借金額にかかわらずゼロにできる自己破産には非常に大きなメリットがあるといえます。

自己破産をしたとしても、生活に必要な家具や家電などはほとんど残りますし、手続き後の財産はすべて自分で管理することができます。

生活をやり直すという意味では自己破産は最適ともいえます。

さらに、自己破産の良い点には自己破産手続きに入ると債権者(消費者金融など)は強制執行できなくなります。これは給与などの差し押さえをされそうという場合には止めることができますので非常に有効な手段です。

自己破産をしても支払いが残るもの

注意してほしいのは、自己破産で免責されるのは借金だけという点です。

稀に自己破産をしているので、支払い義務がすべてなくなると勘違いされている方がいますが、実際には税金 、罰金、損害賠償、養育費などは免責されません。

また、家賃を滞納していた場合には、滞納した家賃分を免責にすることは可能ですが、自己破産することで免責になった家賃を支払ないことにより賃貸借契約を解除され、引っ越しを余儀なくされる可能性があります。

自己破産をすることで部屋を出なければならないということはありませんが、自己破産により家賃を踏み倒すことにより部屋をでなければならなくなる可能性はあります。この意味では、自己破産をするとしても家賃は支払った方がよいという場合もあります。

マイナスイメージが先行している自己破産

一般的に、自己破産にはマイナスイメージが付きまといます。

中には自己破産をすることで支払いを免除されることがずるい、というような意見もあります。

しかし、自己破産をはじめ債務整理は多重債務に陥り、生活がどうにもならなくなった人に対して国が作った救済制度です。

自己破産をするためには煩雑な手続きや財産が制限されるなどの代償を払っているわけであり、無条件で借金を踏み倒しているわけではありません。

返済がどうにもならなくなり、任意整理や個人再生でも対応できないという場合には自己破産も検討してみましょう。

代表司法書士杉山一穂近影
  • 司法書士法人杉山事務所
  • 代表司法書士 杉山一穂
  • 大阪司法書士会 第3897号

大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。

杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。

自己破産とはへ戻る