過払い金請求後の入金までの期間はどのくらい?

過払い金入金までのスケジュール

債権者である消費者金融などの支払いに過払い金があった場合には請求をすることでお金を取り戻すことができます。

しかし、過払い金請求は自分でした場合と弁護士・司法書士に依頼した場合で手続きに要する期間が変わります。また、過払い金請求には細かなプロセスがあり、それぞれにかかる期間も異なります。

本記事では過払い金請求から実際に過払い金が入金されるまでの期間について解説します。請求してから入金までにかかる期間を消費者金融ごとにまとめましたので、ご自分の利用されている消費者金融の情報をご確認ください。

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過払い金請求から入金までの期間

過払い金請求を行ってから入金までは、半年~9か月程度と考えておきましょう。過払い金の振込までは交渉自体よりも返金までの期間の方が長いこともあります。

自分で過払い金請求をした場合

過払い金請求は自分で手続きをすることもできますが、自分ひとりだと資料収集・作成や貸金業者との交渉などはじめての作業に時間が取られてしまう可能性があり、弁護士や司法書士が進めるよりも結果的に入金までの時間が長くなることが考えられます。

また、自分で過払い金請求をすると、確かに依頼費用は発生しませんが、弁護士・司法書士と同じくらいの過払い金を取り戻せるとは限りません。

自分で請求をした場合は、過払い金の入金まで早くても6か月以上はかかると考えておきましょう。過払い金をできるだけ短い期間で取り戻したい場合は、弁護士・司法書士への依頼をおすすめします。

弁護士・司法書士に過払い金請求を依頼した場合

過払い金請求は弁護士や司法書士に依頼することができます。

弁護士・司法書士であれば、自分で行うよりも手続きや交渉をスムーズに進めてくれるため、過払い金の入金までにかかる期間を短くすることが期待できます。弁護士や司法書士は貸金業者との交渉経験が豊富なので、より有利な条件で過払い金の請求手続きを進めることができます。

過払い金請求を弁護士や司法書士に依頼すれば、早ければ交渉で3か月程度で過払い金を取り戻すことも可能です。

過払い金の入金スケジュールが遅れてしまう要因

過払い金の入金スケジュールが遅れてしまう要因はいくつか考えられますが、

  • 裁判に時間がかかる
  • 自分で請求手続きをする
  • 実績のない弁護士・司法書士に依頼してしまう
  • 貸金業者の対応

などが主な原因として考えられます。

過払い金請求の裁判は時間がかかる

過払い金請求の最初の段階では、貸金業者との直接交渉をして過払い金額や返還期日などの各種条件に折り合いを試みます。この段階で双方が納得できれば和解となり、過払い金を取り戻せます。

しかし、交渉が難航したばあい、和解ではなく裁判に移行しなければなりません。過払い金請求の裁判は6か月~12か月程度の期間が必要なため、和解した時よりも大幅に時間がかかってしまいます。

一方、過払い金請求の裁判を行うと、過払い金を全額取り戻すことができること、取り戻せる過払い金には5%の利息がついて戻ってくることなどから、取り戻せる金額自体は交渉による和解よりも有利な条件になります。取り戻せる過払い金額と入金までにかかる期間を考え、裁判を行うべきかどうか判断しましょう。

自分で過払い金請求をすると時間がかかる

自分で過払い金請求を行えば弁護士・司法書士への依頼費用がかからないため、費用を安く抑えることができます。

しかし、その場合過払い金が入金されるまでの期間は6か月以上かかることを理解しておきましょう。自分で過払い金請求をした場合、過払い金請求をする貸金業者から取引履歴を取得し、引き直し計算をしなければなりません。貸金業者によっては個人からの取引履歴の開示請求になかなか応じてくれない業者も存在するため、必要書類を集めるだけでも時間がかかってしまうことがあります。また、過払い金の引き直し計算は複雑になるケースも多く、計算を間違えるリスクもあります。

さらに、自分で請求手続きをした場合、返済中の借金の督促を止めることはできません。

自分で過払い金請求を行うと多くのリスクやコストが発生するため、実際は書類の収集から弁護士・司法書士に依頼すると良いでしょう。

実績のない弁護士・司法書士事務所に依頼すると時間がかかる

過払い金請求は弁護士・司法書士の専門分野ですが、どの事務所でも良いというわけではありません。

実績が少ない事務所や過払い金請求を得意としていない事務所の場合、ノウハウがないため通常より余計に時間がかかってしまうことがあります。

依頼する際には事務所のホームページに記載されている実績や得意な分野をチェックしておきましょう。

貸金業者の対応などにより時間がかかることも

貸金業者によっては、実際に発生している過払い金額よりも大幅に減額した返還額を提示してくるケースがあります。

また、貸金業者の経営状況が悪化している場合、交渉がスムーズにいかず返還が長引く可能性もあります。

現在は経営状況に問題のない貸金業者であっても、時間が経てば状況が悪化することもあります。過払い金があると気づいたら、すぐに弁護士や司法書士に相談することが大切です。

交渉による和解と裁判ではどちらが良いのか?

過払い金請求では裁判にまで進めるかどうかで迷うことも多いでしょう。そこで、交渉による和解と裁判それぞれのメリット・デメリットを理解しておくと良いでしょう。

交渉による合意裁判
過払い金の返還率低い高い
入金までの期間早い遅い

任意交渉により和解するメリット

任意交渉により和解する場合、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリットデメリット
  • 手続きのスピードが早い
  • 印紙代、郵便代、手数料などがかからない
  • コストが小さい
  • 訴訟する場合よりも返還額が少ない

任意交渉の場合、一般的に交渉自体は3か月程度、その後入金までに2か月~6か月程度となっており、貸金業者の対応が早い場合は手続き開始から半年以内に入金までが完了します。また、裁判まで進む場合に比べ弁護士・司法書士とのやり取りも少なく済むため、手続きのコストが小さいこともメリットです。

一方で、任意交渉の場合、訴訟する場合よりも返還額は少なくなる傾向にあります。少しでも多くのお金を取り戻したい場合は、訴訟も検討すると良いでしょう。

過払い金の裁判をするメリット

過払い金の裁判を起こすメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
  • 任意交渉の場合より返還額が多い
  • 年5%の利息を上乗せして取り戻せる可能性がある
  • 任意交渉と比べて、時間とお金がかかる

裁判を起こすと任意交渉よりも裁判に時間やお金がかかります。裁判にかかる時間は6か月~1年程度、費用としては弁護士・司法書士への成功報酬が増加することがデメリットですが、利息も含めより多くの過払い金を取り戻したい場合にはおすすめの方法といえます。

ただし、裁判を起こしたからといって必ず交渉時よりも多くの過払い金が取り戻せるわけではないことにも注意が必要です。

過払い金請求の流れと必要期間

一般的な過払い金請求の流れ
過払い金請求の流れ

過払い金請求には、

  • 弁護士・司法書士が貸金業者に取引履歴を開示請求
  • 過払い金の引き直し計算
  • 貸金業者との交渉
  • 過払い金請求の裁判
  • 入金

といった流れがあります。それぞれのプロセスで行う業務や必要な期間について解説します。

弁護士・司法書士が貸金業者に取引履歴を開示請求

過払い金請求を依頼された弁護士・司法書士は、まず貸金業者に取引履歴を開示請求を行います。

取引履歴の開示請求までにかかる期間は貸金業者の対応によって異なりますが、一般的には2か月~3か月程度の期間を見積もっておきましょう。

また、弁護士・司法書士に依頼せず個人で過払い金請求を行う場合は、自分で貸金業者に開示請求を求めなければなりません。

過払い金の引き直し計算

過払い金の引き直し計算とは、過払い金がどのくらい発生しているのか計算し、金額を確定するプロセスです。

引き直し計算は貸金業者から取得した取引履歴の情報をもとに行います。

引き直し計算自体にはそれほど時間はかかりませんが、取引履歴の一部を取得できないケースなどでは、推定による計算をしなければなりません。

複雑な計算を求められる場合は、正確な金額を知るために弁護士や司法書士に依頼することをおすすめします。

貸金業者との交渉

過払い金の額が確定した後は、貸金業者に「過払い金返還請求書」と「引き直し計算書」を郵送します。郵送は内容証明郵便を利用し、いつどこで書類を送付したかを証拠として残しておきます。

書類の郵送後は貸金業者との直接交渉を試みます。弁護士・司法書士に依頼している場合、本人に代わり担当する弁護士・司法書士が貸金業者と交渉します。

交渉では返還金額のほか、返還期日などの条件についても交渉を行います。

交渉に必要な期間は貸金業者によって異なりますが、おおよそ1か月~3か月です。

過払い金請求の裁判

貸金業者との交渉で和解に至らなかった場合は、過払い金請求の裁判を起こします。裁判には6か月から1年程度期間が必要です。

弁護士・司法書士に依頼している場合は、事務所が必要な手続きをすべて行うため、交渉から裁判への移行がスムーズに行えます。

一方、自分で裁判を起こす場合、訴状、証拠説明書、引き直し計算書などを用意しなければならないため、準備に手間がかかります。また、平日であっても出廷しなければならないため、仕事を休まなければならないなど不都合が生じることもあります。

過払い金が指定口座に入金される

貸金業者と和解した場合、和解内容に従って指定の期日までに過払い金が返還されることになります。

過払い金の入金は、和解が成立した場合、裁判で勝訴した場合ともに2か月~4か月程度の期間が必要です。

入金までにかかる期間【貸金業者別】

貸金業者によって返還率、返還までの期間は異なります。また、返還までの期間は和解した場合と裁判を行った場合でも異なります。

一般的に、裁判をした場合は過払い金の入金までに6か月以上の期間が必要です。

貸金業者入金までにかかる期間
アコム
  • 返還率:80%
  • 返還までの期間:2か月~
  • 裁判をした場合:6か月~
レイク
  • 返還率:80%
  • 返還までの期間:2か月~
  • 裁判をした場合:6か月~
プロミス
  • 返還率:70%
  • 返還までの期間:4か月~
  • 裁判をした場合:6か月~
アイフル
  • 返還率:60%
  • 返還までの期間:3か月~
  • 裁判をした場合:6か月~
CFJ
  • 返還率:40%
  • 返還までの期間:2か月
  • 裁判をした場合:6か月~
セゾン
  • 返還率:90%
  • 返還までの期間:2か月
  • 裁判をした場合:6か月
ニコス
  • 返還率:70%
  • 返還までの期間:1か月
  • 裁判をした場合:6か月

アコム、レイク、セゾンなどの大手消費者金融は経営も比較的安定しており、返還率も80%以上と高水準です。また、返還までの期間も最短で2カ月程度となっており、スムーズに交渉が行えることが期待できます。

プロミスの経営は安定しており返還率も70%程度と高めです。プロミスも裁判をすれば100%の返還が見込める業者です。

アイフルは2009年に経営難から企業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を行っていましたが、現在では経営も安定しており、返還率も以前より高まっています。

CFJはディック、ユニマットライフ、アイクの3社の合併により誕生しましたが、経営は安定しているとは言い難く、現在では新規貸し出しを行っていません。過払い金の返還率は40%程度とそれほど高くありませんが、早期解決を望む場合には、返還率40%で和解すれば和解後2か月程度で入金があります。

ニコスは安定した経営を行っており、70%程度の和解であれば1か月ほどのスピード解決も可能です。ただし、UFJカードやDCカード、UFJカード、MUFGカードなどカードの種類が多く、カードによっては取引履歴の一部が開示されないこともあります。

いずれの場合も交渉による返還より裁判による返還の方が金額が大きくなることは共通です。

過払い金の入金期間を気にするべきときは?

過払い金請求は時間がかかっても入金まで進むため、必要以上に入金までの期間を気にする必要はないでしょう。とは言え、以下のような状況では入金までの期間を念頭に入れて手続きをする必要があるでしょう。

時効が迫っている場合

過払い金請求には時効があり、最後に返済した日から10年が経過すると過払い金を取り戻すことができなくなってしまいます。

取引の状況、請求方法などにより時効を延ばしたり、時効の中断ができる場合もあります。また、過払い金の引き直し計算をする際には取引履歴を取り寄せることが必要ですが、最後に取引した日から10年が経過すると「取引履歴」が廃棄されてしまい請求が難しくなる場合もあります。これは貸金業者が取引履歴を保管する期間が10年間と定められているためです。

【貸金業法施行規則 第17条】
該契約に定められた最終の返済期日(当該契約に基づく債権が弁済その他の事由により消滅したときにあっては、当該債権の消滅した日)から少なくとも十年間保存しなければならない。

取引履歴が見つからないために過払い金の請求権を認められず、取り戻せるお金が減ってしまう恐れがあります。

そのため、2010年以前に借金をしていた経験があり、すでに借金を返し終わっている人は、すぐに弁護士や司法書士に過払い金の相談をすることをおすすめします。

現在借金をしている場合

現在借金を返済中の人は、過払い金請求を検討した方が良いでしょう。

返済中の借金に過払い金が見つかれば、借金の減額することが可能です。また、過払い金が借金よりも大きい場合、借金をゼロにすることができます。

少しでも早く借金問題を解決したい人は、過払い金請求を早めに行ったほうが良いでしょう。

貸金業者の経営状況が悪化している場合

貸金業者が倒産したり、経営状況が悪化すると、過払い金を取り戻せないケースがあります。

例えば、武富士やSFコーポレーションなどの貸金業者が倒産した際には、ほとんど過払い金を取り戻せないケースが見られました。

貸金業者の経営状況が悪化しないうちに今ある過払い金を取り戻すことが大切です。

過払い金を早めに入金してもらうには

過払い金を早めに入金してもらうためには、

  • 弁護士・司法書士に依頼する
  • 少額訴訟により早めの入金をしてもらう
  • 裁判をせずに和解する

などの対策があげられます。また、過払い金と借金が相殺されるケースでは、入金までにかかる期間が短縮されます。

過払い金請求に強い弁護士・司法書士に依頼する

過払い金請求を弁護士・司法書士に依頼すると依頼費用が発生するため、何とか自分ひとりで手続きをしたいと考えている人もいるでしょう。また、弁護士や司法書士に相談することは敷居が高いと敬遠する人もいます。

しかし、過払い金請求は弁護士や司法書士に相談した方がより早く、より多くのお金を取り戻せることが多いといえます。弁護士報酬、司法書士報酬は発生するものの、結果的に自分で請求するよりも多くのお金が戻ってくることも多くあります。

短期的な報酬の支払いだけに目を向けるのではなく、最終的にどのくらい手元にお金が残るのかを勘案すると良いでしょう。

また、事務所によって対応するスピードは変わりますが、ほとんどの場合、個人で請求するより遅くなるということはありません。スピードや手間、取り戻せるお金の額、いずれも弁護士・司法書士に依頼した方が良い結果が期待できます。

少額訴訟により早めの入金をしてもらう

少額訴訟とは、60万円以下の訴訟をする際に利用できる裁判手続きで、裁判が1日で終わる点が特徴です。もし過払い金が60万円以下の場合には、少額訴訟を行うことで即日裁判が終わることが期待できます。

ただし、実際には貸金業者側は通常訴訟への移行を申し立てることが多く、少額訴訟で完結することは稀です。

裁判をせずに和解する

過払い金請求では、貸金業者との交渉と裁判の2つの方法があります。

裁判をすると6か月以上の期間は必要ですが、交渉による返還は6か月程度で戻ってくることも多いため、早めに入金まで進めたい場合は交渉による和解を目指すと良いでしょう。

ただし、交渉内容によっては相手に有利な状況で進められることもあるため、あまり不利な条件で和解してしまうと手元に残る金額が少なくなってしまうこともあります。

過払い金と借金が相殺される場合は手続きが早めに終わる

過払い金が借金と相殺される場合、通常よりも手続きが早めに終わることがあります。

例えば、100万円の借金があり、過払い金が80万円見つかった場合は、過払い金が引かれ借金の残りは20万円になり、過払い金の返還はなされないため、早ければ全ての手続きを含めて3か月程度で終わります。

過払い金は交渉で3か月程度、そこから返金までに2か月~6か月程度かかりますが、過払い金と借金が相殺されると返金までの期間が圧縮できるのです。

代表司法書士杉山一穂近影
  • 司法書士法人杉山事務所
  • 代表司法書士 杉山一穂
  • 大阪司法書士会 第3897号
  • [プロフィール]

大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。

杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。

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