テレビCMやチラシなどで過払い金のことを知っている人は多くいますが、過払い金の発生条件まで知っている方は少ないはずです。
広告やチラシを見ると借金をしていれば過払い金があるように思えますが、実際には過払い金の発生には条件がありますので、過払い金が発生しないこともあります。
ここでは過払い金が発生しないケース、過払い金が発生していても請求できないケース、過払い金が発生しない業者、過払い金が発生しない場合の借金返済方法などをご紹介いたします。
過払い金が発生するのは、借金返済の際に払いすぎた利息があるからです。
利息制限法により借金額に応じて上限金利は15%~20%と定められていますが、2008年頃までは最大29.2%の金利を取られていることがありました。上限金利を超えた分は過払い金ですので、請求することで今からでもお金を取り戻すことができます。
逆をいえば、支払っていた金利が15%以下であれば過払い金が発生することはありません。
次のような場合には過払い金は発生しません。
2008年頃までは多くの貸金業者で利息制限法の上限金利(15%~20%)を超える金利を取っていましたが、2010年の法改正以降は利息制限法の上限金利を超えて貸し出しをすることはまずありませんので過払い金は発生しません。
多くの貸金業者では2008年前後に自主的に金利を引き下げています。そのため、貸金業者によっては2008年以降の貸し出しに過払い金が発生していないこともあります。
自分に過払い金が発生しているかどうかは個人では判断が付きにくいことも多いため、弁護士や司法書士に相談し、確認するようにしましょう。
杉山事務所では過払い金についての相談、調査、計算は無料で行っております。
クレジットカードのキャッシングでも過払い金は発生しますが、クレジットカードのショッピングでは過払い金は発生しません。
これはキャッシングは借金ですが、ショッピングは借金ではなく立替金として扱われるからです。
クレジットカードのショッピングの手数料が高いと感じる場合がありますが、過払い金が発生することはありませんので注意しましょう。
キャッシングとショッピングの両方を行っている場合であれば過払い金が発生しますが、発生した過払い金よりもショッピング枠の利用の方が多い場合にはブラックリストに載ることがありますので注意しましょう。
銀行カードローンの金利は利息制限法の上限金利を超える場合はまずありませんので、過払い金は発生しません。
ただし、銀行系クレジットカードのキャッシングであれば過払い金が発生することがあります。
住宅ローンや自動車ローンを返済していると毎月数万円も払っているので払いすぎがあるのではないか、金利が高すぎるのではないかと思う方もいるようですが住宅ローンや自動車ローンには過払い金は発生しません。
毎月の返済額が多いのは借入額が多いためです。
貸金業者から裁判を起こされて支払いをした場合にも過払い金は発生しません。
裁判を起こす時点で貸金業者側は裁判所に認められるように正しい金利で計算し直した上で請求をしているためです。
銀行カードローン、住宅ローン、自動車ローン以外でも以下のような貸し出しの際の金利が低い場合には過払い金は発生しません。
上記のような貸し出しは数%であったり、無利子であったりするため過払い金が発生することはありません。
以下は過払い金が発生しない貸金業者の例です。
厳密にはオリックス・クレジット、ジャックス、JCBの3社に過払い金が発生することはありますが、オリックス・クレジットは1990年代、ジャックスは1997年に金利引き下げを行っております。そのため、過払い金が発生するのは1990年代以前の借り入れであり、発生しにくい会社です。
また、JCBからのキャッシングでも過払い金は発生しますが、1回払いの場合のみ過払い金が発生することがありますので、JCBも過払い金が発生いにくいといえます。
過払い金が発生しているが過払い金請求できない、または過払い金請求を行ってもお金を取り戻すことができないのは次の2つのケースです。
過払い金には消滅時効がありますので、最後の返済から10年が経つと時効が成立しお金を取り戻せなくなります。
過払い金請求には請求期限がありますのでご注意ください。
ただし、一度完済していても再度同じ業者から借り入れをした場合には時効が適用されないこともあります。
過去に借金をしたことがあり、過払い金があるかもしれない場合には弁護士や司法書士に相談しましょう。
貸金業者が倒産している場合には過払い金の請求先がありませんのでお金を取り戻すことはできません。
一部の貸金業者では倒産の際に配当金が出ますが、配当率は高い場合でも3%程度です。
100万円の過払い金が発生していても3万円しか取り戻せないということですから、請求先があるうちに手続きを取るようにしましょう。
借金問題の解決方法として過払い金請求があります。
では過払い金が発生しない場合には借金問題が解決できないかというとそういうわけではありません。
任意整理、個人再生、自己破産という債務整理の手段がありますのでご検討ください。
任意整理とは貸金業者と話し合いの交渉を行い、利息を免除してもらい、残った借金を3年~5年で分割払いしていく手続きです。
毎月の返済額を減らし、無理なく完済することができるようになります。
個人再生とは裁判所を介し借金を5分の1に圧縮し、残りを分割で支払っていく手続きです。
自己破産とは異なり、自宅を残すことができますので、自己破産はしたくないけれど任意整理では解決が難しい場合に利用されます。
自己破産とは裁判所を介し借金の返済をすべてを免除してもらう手続きです。
すべての借金がなくなりますが、自己破産を行う条件は厳しく、借金問題を解決するための最終手段として利用されます。
大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。
杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。