法テラス(国が設立した司法援助機関)では収入や扶養家族の人数によって民事法律扶助を受けられるかどうかが変わりますが、条件さえ基準を満たせば無料で3回まで法律相談を受けることができます。
当然、過払い金請求の相談を法テラスで行うこともできますので、弁護士や司法書士に相談に行く前に法テラスで無料で過払い金のことが相談できます。
しかし、法テラスは便利な制度である反面、過払い金請求を法テラス経由で行うことで逆に費用がかかってしまうということがあります。
ここでは過払い金請求を法テラスで行うことのメリット、デメリットを解説していきます。
過払い金請求を法テラス経由で行うメリットは、費用が明確になることです。
法テラスに相談をすることはできますが、実際に手続きを取るのは法テラスから紹介された弁護士や司法書士です。この紹介された専門家に依頼すると法テラスからの紹介の場合には2~3万円程度です。
そして、過払い金請求で取り戻したお金の15%を専門家に支払う報酬となります。
過払い金請求は各事務所によって費用が変わってきますが、法テラスに相談して弁護士や司法書士を紹介してもらうことで着手金2~3万円と成功報酬15%ということが明確になります。
しかし、過払い金請求を法テラスで行うことでデメリットもあります。
大きなデメリットは次の2点。
法テラス経由の場合には着手金が2~3万円と明確です。着手金がかかる弁護士事務所や司法書士事務所があることを考えると費用が事前にわかるのは良いですが、実は過払い金請求や債務整理問題の解決を専門に行う事務所の場合では相談料や着手金を無料としているところも多くあります。
つまり、法テラス経由にすることで本来はかからない着手金を支払うかもしれないのです。
さらに、法テラスは弁護士や司法書士を紹介してくれますが、紹介してくれる専門家が過払い金請求に強い事務所とは限りません。
過払い金請求で取り戻せる金額は事務所がどれだけノウハウを持っているか、実績があるか、裁判にすべきかどうか判断できるかなどが非常に重要です。そのため、過払い金請求に強い専門家に依頼したときよりも取り戻せる金額が少なくなる可能性があります。
結果的には法テラスに相談することで金銭的なデメリットが出てくる可能性があることは覚えておきましょう。
では過払い金請求を法テラスに相談することは損なのでしょうか?
単純に過払い金請求だけを行う場合、着手金無料で取り戻した金額次第で後払いができる事務所に依頼できるときには手出しがない分、法テラスに相談するのは損といえるかもしれません。
もし、自分で過払い金請求に強い専門家を探せる場合には、その方が良い場合が多そうです。
一方、現在借金返済中の方の場合には法テラスを利用することで費用を後から分割払いできるという制度(民事法律扶助制度)があります。
現在借金の返済に困っているという人の場合、過払い金請求ではなく、債務整理という手続きが必要なことが多く、債務整理を行うときには着手金の数万円が負担になるということもよくあることです。この場合には法テラスを利用することで助けになるはずです。
また、自分で過払い金請求に強い弁護士や司法書士を探せない、または近くの事務所が分からない、という場合にも法テラスは役立ちます。
大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。
杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。