近年CMで「過払い金の請求期限は10年」との言葉を見聞きします。「本当に過払い金は存在するのか」「怪しい」との声も多くありますが、過払い金の請求期限は10年であることは事実です。
過払い金は最後の返済日から10年以内であれば、返還請求できます。過払い金の発生条件や請求期限を正しく理解することで、自分には過払い金があるのか否かやいつまでに請求しなければならないのかが明確になります。
司法書士法人杉山事務所が過払い金CMが多い理由や請求期限、CMの与える誤解について、わかりやすく解説します。
過払い金CMが多くなった理由は、平成18年1月13日の最高裁判所判決によって過払い金請求が認められやすい状況になったためです。
それ以前は、貸金業者は利息制限法の上限金利を超えてお金を貸し付けても、出資法の上限金利を超えなければ罰則を受けることはありませんでした。しかし、平成18年1月13日の最高裁判所判決で利息制限法の上限金利を超える貸し付けが違法となり、平成22年6月18日には貸金業法が改正されたのです。
そこで法律事務所では「過払い金請求は国が認めている正当な権利だ」として、CMで過払い金請求の問い合わせにつなげようと図りました。大手法律事務所がCMを利用して宣伝した結果、他の法律事務所もそれに対抗し競争が激化したことで過払い金CMは増えていったのです。
最近では過払い金CMは減少傾向にありテレビで目にすることが少なくなりました。しかし、依然としてCMを流している法律事務所も存在します。キャッチ―な音声や映像も相まって、過払い金CMが視聴者の記憶に残りやすくなっているのです。
過払い金とは、貸金業者からお金を借りた際に払いすぎた利息のことです。過払い金を請求することで払いすぎたお金が戻ってくるので、他に借金をしていればその返済に充てられます。
貸金業法が改正される以前は、多くの貸金業者で利息制限法と出資法の間の金利(グレーゾーン金利)での貸し付けが行われていました。しかし借金返済に苦しむ債務者が増えて社会問題に発展したため、貸金業法が改正され、それ以降は利息制限法の上限金利を超えて貸し付けを行う業者は少なくなりました。
過払い金は最後の返済日から10年以内であれば返還請求できます。そのため、CMで謳っている「請求期限は10年」や「時効がある」のは事実です。
請求期限を超えてしまうと過払い金を取り戻すことはできないので各法律事務所はCMで請求期限があることを強調して発信しています。
しかし、過払い金CMは視聴者に誤解を与えてしまっているのも事実です。テレビCMは尺が限られているため、より端的に物事を伝えなければならない性質を持ちます。結果、過払い金CMで「急がなければならない」「自分の場合はすぐに請求しないと戻ってこない」との印象を生み出しているのです。
また、過去に借金をしたことのない視聴者に対しても「過払い金なんて存在するのか」「この法律事務所は怪しいことをしている」などと誤解を与えてしまっている部分もあります。
ここでお伝えしたいのは、過払い金請求は正当な権利だということです。過払い金を請求することでお金が戻ってきたり、戻ったお金で借金を減額もしくは完済できたります。借金がなくなることで家計のやり繰りがしやすくなり、精神的な負担も軽減できるのです。
過払い金の発生条件は、次の2つです。
平成22年6月18日の貸金業法改正よりも前に借り入れをしてなおかつ最後の返済日から10年以内であれば、過払い金を取り戻せます。
過払い金の請求期限は、最後の返済日から10年以内となります。
間違えやすいのは、借りた日から10年以内ではなく最後の返済日から10年以内ということです。
例えば、既に完済している人であれば完済日から10年以内、現在も返済を続けている人であればこれから到来する最後の返済日から10年以内が請求期限となるのです。
過払い金請求を弁護士・司法書士に依頼することで、自力で行うよりもスムーズに手続きが進んだり過払い金を多く取り戻せたりするメリットがあります。
司法書士法人杉山事務所では過払い金の無料相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。
大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。
杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。