過払い金請求は銀行カードローンや銀行系クレジットカードでもできるのか?

「銀行のカードローンで過払い金請求ってできるの?」

「銀行からの借入で過払い金は発生するの?」

このような疑問をお持ちではないでしょうか?

過払い金が発生するかどうかは、貸金業者によっても異なりますので一般の方には判断しづらいですよね。

結論としては、銀行カードローンには過払い金は発生しません。

しかし、銀行系クレジットカードのキャッシング枠を利用していた場合は、過払い金が発生する可能性があります。

そこでこの記事では、銀行からの貸し付けで過払い金が発生する仕組みや銀行カードローンを利用する際の注意点について解説します。

最後までご覧いただくことで、銀行系の借入で過払い金が発生した時の解決方法まで理解できますので、ぜひ参考にしてみてください。

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銀行カードローンに過払い金は発生しない

カードローンとは、貸金業者や金融機関が提供している、利用限度額の中で現金をATMや銀行で引き出したり、振り込んだりできるサービスのことです。

さまざまな種類があるカードローンの中でも「銀行カードローン」はカード会社や貸金業者ではなく、銀行が直接提供していることが特徴となっています。

そもそも過払い金とは?

過払い金とは借金の返済において、本来であれば支払う必要のなかった利息のことを指します。

過払い金は、2010年以前に利息制限法(上限20%)と出資法(上限29.2%)で、定めていた上限金利がそれぞれ異なっていたことから発生しました。

2つの法律で定めていた上限金利の差を「グレーゾーン金利」といい、当時はこの「グレーゾーン金利」で貸し付けていた貸金業者も多く存在しました。

たとえば、利息制限法に従うと金利20%が限度であるところを、金利25%で貸し付けを行なっていたということです。

しかし、2010年に法律が改正され、上限金利が20%に統一されました。

利息制限法出資法
2010年以前の上限金利15〜20%29.2%
2010年以降の上限金利15〜20%20%

利息制限法では「制定した金利を超えた分の利息は無効」と定められているので、2010年より前にグレーゾーン金利で支払いを行なっていた場合は、過払い金とを請求できるという仕組みです。

銀行カードローンに過払い金が発生しない理由

銀行カードローンは過払い金が発生しません。

なぜなら、銀行カードローンは利息制限法と出資法が改正される2010年より前から、法定利率内を守って貸し付けを行なっていたからです。

つまり、グレーゾーン金利を利用せず、利息制限法で定めていた上限20%以内の金利で貸し付けを行なっていたということです。

また、銀行カードローンは金利15%以下のものが多いため、過払い金が発生しにくいという理由もあります。

銀行系クレジットカードは過払い金が発生する場合がある

銀行系クレジットカードとは、銀行や銀行のグループ会社が発行しているカードのことです。

銀行系のクレジットカードでは、過払い金が発生する可能性があります。

ただし、銀行系のクレジットカードでも、「キャッシング枠」と「ショッピング枠」で過払い金発生の有無は異なりますので、以下で解説します。

キャッシング枠での利用なら過払い金発生の可能性がある

カードのキャッシング枠には過払い金がある可能性があるが、ショッピング枠には過払い金は発生することはありません。

銀行系クレジットカードをキャッシング枠で利用していた場合は、過払い金が発生している可能性があります。

クレジットカードのキャッシングは、カードローンよりも高金利であることが一般的です。そのため、2010年以前は銀行系クレジットカードでも上限20%を超える金利で貸し付けを行っていた会社が多く存在しました。

しかし、クレジットカードのキャッシング枠は貸金業法が適用されますので、上限金利20%を超えていれば過払い金が発生します。

したがって、2010年以前に銀行系クレジットカードのキャッシング枠を利用していれば、過払い金請求ができる可能性があります。

ショッピング枠は過払い金請求の対象外

銀行系クレジットカードのショッピング枠では過払い金が発生しません。

なぜなら、クレジットカードのショッピング枠は「金利や利息」ではなく、支払いの立て替え分を「手数料」としてカード会社に支払う仕組みだからです。

具体的には、ショッピング枠には利息制限法と出資法ではなく、割賦販売法が適用されます。

そもそも利息は発生しないことと、利息制限法が適用されないことからショッピング枠は過払い金請求の対象外ということになります。

過払い金請求ができる条件

クレジットカードのキャッシング枠を利用していた場合に過払い金請求ができる条件は以下の通りです。

  • 2010年以前に借入をしていた
  • 返済中または完済から10年以内
  • 請求先の会社が存在していること

過払い金請求には時効があり、完済から10年が経過すると取り戻すことができなくなります。反対に、2010年より前に借入した借金を返済中または完済から10年以内であれば、払いすぎたお金が戻ってくる可能性があります。

銀行カードローンは総量規制が適用されない

銀行カードローンはクレジットカードのキャッシングよりも金利が低いことが特徴ですが、総量規制が適用されませんので借入の際には注意が必要です。

総量規制とは、年収の3分の1を超える貸し付けを行なってはいけないという法律です。

多重債務者が増加したことなどから、利用者に適度な金額で借入を行なってもらうために借入額に上限が定められました。

しかし、総量規制は貸金業者のみに適用されます。銀行は貸金業者ではありませんので、総量規制は適用されません。

銀行の過剰貸し付けには要注意

総量規制は銀行カードローンに適用されませんので、銀行の過剰貸し付けには特に注意しましょう。

以下の図の通り、近年では貸金業者の利用者数(青線)が減少し、銀行カードローンの利用者数(赤線)が増加しています。

金融庁・消費者庁の資料より銀行カードローンの利用者が増加していることがわかります。
引用:多重債務者対策をめぐる現状及び施策の動向|金融庁/消費者庁

これは、総量規制がきっかけとなり、銀行が個人向けのカードローンの用いて過剰な貸し付けを行なっているのではないかと言われています。

銀行カードローンは年収の3分の1を超えても借入が可能ですので、「知らない間に借金が多額になっていた」となることも考えられます。

したがって、借り過ぎや多重債務には十分気をつけるようにしましょう。

銀行カードローンの借金解決は任意整理がおすすめ

銀行カードローンや銀行系クレジットカードのキャッシングで支払いが困難になってしまった場合は、任意整理で借金を整理するのが有効です。

任意整理は発生する利息をカットして、残った元本を3〜5年の分割払いで返済していくという手続きです。

カードローンやキャッシングは、毎月の返済のうち多くが利息に充てられて元本が減りにくいことが特徴です。

任意整理を利用することで元本の返済のみでよくなりますので、毎月の返済が楽になり、経済的にも精神的にも負担を大きく減らせるでしょう。

また、任意整理のメリットとして自己破産や個人再生のように、住宅や車などの財産没収をされるなど、手続き後の日常生活を圧迫するようなデメリットが少ないです。

任意整理は弁護士や司法書士への依頼することで、手続きが成功する確率が上がります。

司法書士法人杉山事務所では、過払い金請求や債務整理などをはじめとして、数多くの借金問題の解決を行なっています。月に3000件の相談実績があり、無料相談も行なっていますので、少しでも不安や疑問を抱えている方はお気軽にご相談ください。

代表司法書士杉山一穂近影
  • 司法書士法人杉山事務所
  • 代表司法書士 杉山一穂
  • 大阪司法書士会 第3897号
  • [プロフィール]

大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。

杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。

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