セゾンカードにも過払い金が発生している可能性があります。対象となるのはセゾンカードで2007年7月以前にキャッシングを利用した方です。
また、現セゾンカードを運営する株式会社クレディセゾン(以下クレディセゾン)は2006年にUCカード株式会社と合併しています。そのためUCカードで2007年6月以前にキャッシングを利用した方もクレディセゾンに過払い金請求できる可能性があります。
なお過払い金は最終取引から10年で時効にかかってしまうため早めの請求が重要です。本記事では、セゾンカードやUCカードの過払い金請求について詳しく解説します。条件に心当たりのある方はぜひご覧ください。
人気の高いセゾンカードにも過払い金が発生している可能性があります。UCカードも同様です。過去にキャッシング機能を利用してお金を借りたことのある方は改めて過払い金がないか確認することをおすすめします。
過払い金とはキャッシング(借り入れ)の返済で払いすぎた利息のことを指します。借金の返済に伴う利息の上限は「利息制限法」と「出資法」において定められています。
2010年よりも前は出資法の上限金利は年29.2%とされていました。しかし、2010年の6月に法改正がなされ、上限金利は利息制限法の年20.0%まで引き下げられたのです。現在の上限金利は借りた金額によって異なり、以下のとおり設定されています。
借入額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20.0% |
10万円以上~100万円未満 | 18.0% |
100万円以上 | 15.0% |
つまりこれまで上記の上限金利を超える利息を払ってきた人は、余分に払っていた金額を過払い金として取り返せるということです。クレディセゾンも過去には20%を超える高金利での貸し付けを行なっていました。
ただし、利息制限法や出資法の対象となるのは「借り入れの返済」にあたる支払いのみです。そのため、立替金やショッピングで利用した分などで過払い金は発生しないので注意しましょう。
過払い金が発生したのは2010年よりも前のことですから長い時間が経っています。しかし、現在でも取り戻せる過払い金はあります。クレディセゾンに過払い金請求できるカードは以下の2種類となっています。
下記条件に該当する可能性がある方は、早めに過払い金があるかどうか診断を受けた方がよいでしょう。
セゾンカードは年24.0%~25.0%の高金利で貸し付けを行なっていました。しかし、2007年7月14日より法定内金利の契約に切り替えました。
つまり、2007年7月14日よりも前にセゾンカードでキャッシングを利用した場合は過払い金が発生しているといえます。
UCカードは年27.8%の高金利で貸し付けを行なっていましたが、2007年6月11日に金利を引き下げています。
そのため、2007年6月11日よりも前にUCカードでキャッシングを利用した場合は過払い金が発生しているといえます。
過払い金請求は自分1人でも手続きは可能です。ただし過払い金の計算や手続きなどが不安な方は司法書士事務所に相談して確実に進めることをおすすめします。
自分に過払い金があるか不明な場合でも過払い金診断を無料で実施している司法書士事務所へ相談するとよいでしょう。手軽に過払い金の有無が調査できます。
過払い金請求の方法は以下の2種類です。
任意交渉ではクレディセゾンと直接交渉をして過払い金を取り戻します。一方裁判は裁判所を介して過払い金請求をする方法です。
一般的に、任意交渉よりも裁判の方が過払い金の返還率が高い傾向にあります。ただし、裁判をするとやや時間と費用がかかるのが難点です。
なお、手続きは自分1人でも可能です。しかし、過払い金計算は間違えるとその後の手続きに支障が出る可能性もあるため確実に算出する必要があります。また、個人で任意交渉をしようとすると先方から少ない金額での和解を提案されるケースもあります。
確実にできるだけ多くの過払い金を取り戻すなら実績のある司法書士に依頼するのがおすすめです。
任意交渉を選択した場合は以下の流れで手続きを進めます。
もし交渉で希望の額に至らなかった場合、改めて裁判を起こすことも可能です。
また、過払い金の有無は過去の取引履歴書を取り寄せて確認します。自分で取り寄せることも可能ですが、杉山事務所なら、取引履歴書の取り寄せから過払い金の計算までをすべて無料で承っています。
手続きにかかる時間はクレディセゾンの場合、任意交渉で2ヶ月以上です。裁判なら4ヶ月以上が目安となります。
クレディセゾンに過払い金請求したときの返還率は以下のとおりです。
任意交渉 | 90%~ |
---|---|
裁判 | 100%~ |
裁判に比べて過払い金が取り戻しにくいとされる任意交渉でもクレディセゾンの場合は90%程度の回収が期待できます。また裁判では、過払い金満額に加えて利息を回収できる可能性もあります。
任意交渉で取り戻せる割合が全体の90%とすると、仮に100万円の過払い金があった場合に90万円は取り戻せる計算です。裁判で満額取り戻せると仮定すると、100万円全額が取り戻せることになります。
より多くの金額を取り戻したい場合は裁判、手早く過払い金を回収したい場合は任意交渉を選ぶとよいでしょう。
ただし返還率の割合は、司法書士事務所におけるデータを基準としています。契約者本人が自ら任意交渉する場合、クレディセゾン側はできるだけ低い額での和解を試みるはずです。そのため場合によっては80%以下しか取り戻せない可能性もあるのです。
取り戻す金額にこだわるなら、交渉力の確かな弁護士や司法書士に代理人を依頼するのが無難でしょう。
クレディセゾンから何度も借り入れと完済を繰り返している場合、取引のどこまでを一連のものと見なすかが争点となる場合もあります。
争点とは相手とこちらの主張の論点となるポイントのことです。一般的には複数の借り入れを一連のものとして見なした方がより多くの過払い金を請求できます。
しかし、クレディセゾンはできるだけ支払う過払い金の額を抑えたいため、複数の取引を分断したものとして主張する可能性があるのです。
このように場合によってはこちらの請求に対して先方が反論してくる場合もあります。争点がある場合は過払い金請求の実績豊富な司法書士に代理人を依頼し、裁判で主張するのがおすすめです。
クレディセゾンは過払い金請求に対して比較的良心的な対応をしてくれます。資金面に余裕があることから支払いを必要以上に渋ることもありません。
返還率も90%~100%と非常に高いため、任意交渉でもある程度の過払い金を取り戻せることが期待できます。
また過払い金請求は、請求先の会社が倒産したら取り戻すことができなくなります。しかしクレディセゾンは業界最大手のカード会社であるため倒産リスクも低く安心です。
過払い金請求にはいくつかの注意点があります。知らずに過払い金請求すると、後々不便になる場合も考えられます。注意点も把握した上で計画的に過払い金請求を進めましょう。
一度過払い金請求するとキャッシングやショッピング機能を含め、カードそのものが使えなくなります。
過払い金請求は債務整理などと異なり信用情報に傷が付く手続きではありません。しかし、過払い金請求の対象となったカードは解約されることになります。
ただし、過払い金請求が終わった後に再びクレディセゾンのカードを申し込むことは可能です。この場合は通常時と同様に審査を受け、新たにカードを作ることになります。また他社のカードを作る分には全く問題ありません。
返済中の借金がある状態で過払い金請求すると、過払い金を充当して借金を減らしたり清算したりできます。
ただし過払い金を充当しても借金が完済できない場合、任意整理と同じ扱いと見なされます。この場合はブラックリスト状態になり、最低でも約5年は新たな借り入れやカードの作成が難しいなどのデメリットが生じるのです。
ただし過払い金で借金を清算したり、減額したりできるのは大きなメリットでもあります。ブラックリストは一定期間待てば解除されますが、過払い金請求権は時効を迎えたらそれまでです。メリットとデメリットをふまえて、慎重に検討しましょう。
過払い金を請求する権利は最終取引から10年で時効にかかります。時効にかかってからは一切過払い金を取り戻せません。手続きにかかる時間も考慮すると過払い金請求は早めに動くのが一番です。
また時効が迫っている場合、司法書士など手続きに慣れた代理人をつけることでスムーズに進められるはずです。
セゾンカードを発行しているのは株式会社クレディセゾンという会社です(2021年3月現在)。1951年に法人として設立され東京都豊島区の東池袋に本社を構えます。
年会費永年無料で国際ブランドも幅広く選べることから汎用性の高いクレジットカードといえるでしょう。セゾンカードのスペックをベースにショッピングモールとコラボしたカードも多く展開しています。たとえばパルコポイントが付くPARCOカードなどが挙げられます。
日常的によく使う店からカードを選べるのもセゾンカードの特徴です。追加カードや付帯保険も充実しています。
また総利用額は最大300万円でカード作成時の与信審査によって決定されます。キャッシングでは1回払いかリボ払いが選択でき、どちらの場合でも過払い金が発生している可能性があります。
会社名 | 株式会社クレディセゾン |
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設立年月日 | 1951年5月1日 |
本社所在地 | 〒170-6073 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60・52F |
代表者 | 代表取締役会長CEO:林野 宏 代表取締役(兼)社長執行役員COO:水野 克己 |
資本金 | 759億29百万円 |
上場証券取引所 | 東京(市場第一部) |
カード取扱高 | 約5兆円 |
上場企業でもあるクレディセゾンは毎年カードの新規発行枚数を手堅く伸ばしています。カード取扱高も約5兆円と規模が大きく、体力のある安定した大手企業ならではの経営が特徴です。
またクレディセゾンは2006年1月にUCカード株式会社と合併しました。そのため2006年からはセゾンカードだけでなく、UCカードもクレディセゾンのブランドとして扱われています。
つまり、UCカードで過払い金が発生した場合はクレディセゾンに対して請求を行なうことになるのです。
大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。
杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。