SMBCモビットに過払い金請求はできないが利息交渉は可能

SMBCモビットは消費者金融ですが、貸出金利は消費者金と比較すると低く、SMBCモビットに過払い金請求できることはありません。

しかし、SMBCモビットの借金返済に困っている場合には任意整理という方法で利息の交渉をすることは可能です。また、他社の過払い金によりSMBCの借金を減らすことはできるかもしれません。

ここではSMBCモビットに過払い金請求できない理由、SMBCモビットの借金を任意整理により解決する方法とその注意点について解説いたします。

SMBCモビットには過払い金は発生しない

過払い金が発生する理由は利息制限法で定められている以上の金利(グレーゾーン金利)で利息を取ったことです。支払い過ぎた利息は取り戻すことができますが、SMBCモビットの利息は利息制限法を順守しており過払い金が発生することはありません。

消費者金融の主な利益は利息ですので金利を可能な限り高く設定する傾向にありますが、SMBCモビットは当時の親会社プロミスにより金利フルライン戦略という手法を取っていたため、SMBCモビットでは低い金利を維持できたのです。

2006年の最高裁判例によりグレーゾーン金利が無効となり、この影響により多くの貸金業者が金利を自主的に見直し、グレーゾーン金利での貸し出しは大幅に減少しました。2010年には出資法が改正されたために2010年以後にグレーゾーン金利での貸し出しは行われておらず、以後過払い金が発生することもあります。

SMBCモビットも2010年に金利改定を行いましたが遅延損害金の改定に留まり、過払い金とは無関係な金利改定といえます。

SMBCモビットが法定金利で貸し出す理由

どの消費者金融も利益を多くすために金利を高く設定します。2006年の最高裁の判決までは出資法の上限金利である29.2%を根拠に、多くの消費者金融で29.2%に近い金利で貸し出しを行っていました。

事実、当時SMBCモビットの親会社であったプロミスも出資法の上限金利に近い25.55%という高い金利を取っていました。

しかし、プロミスの金利フルライン戦略によりSMBCモビットは4.8%~18%という低い金利で貸し出しを行っていたのです。

金利フルライン戦略とは

2010年以前のプロミスは幅広い顧客を取り込むために非常に広い金利帯でサービスを提供していました。

金利フルライン戦略
モビット 4.8%~18.0%
プロミス 18.0%~25.5%
クオークローン 26%~29%

このように広い金利帯で貸し出しを行うことで顧客の金融リスクに応じて商品を使い分けていました。端的にいえば、支払いが遅れる可能性が高ければ高い金利帯で貸し出しを行い、金融リスクが低い優良顧客は低い金利帯で取り込んでいたのです。

この戦略によりモビットは低い金利を維持していたため過払い金が発生しないのです。

SMBCモビットも金利改定はしている

実はSMBCモビットも2010年5月10日に金利改定を行っています。しかし、この金利改定はグレーゾーン金利での貸し出しをやめるという趣旨ではなく、遅延損害金利息に関わる遅延利率を引き下げたにとどまります。

改正前の遅延損害利率は現在と比べると高いものの、改正前の段階から利息制限法で認められている利率になりますので合法です。

そのため、遅延損害金を支払っている場合であっても支払い過ぎということは起こりえず、お金を取り戻すことはできないことがわかります。

SMBCモビットの金利改正についての詳細はSMBCモビットからのお知らせをご確認ください。

SMBCモビットに過払い金がないことを確認する方法

しかし、中には本当に過払い金がないのか不安な方や当時多くの利息を返済した記憶がある方もいると思います。

その場合にはSMBCモビットに対して取引履歴の開示を求めることで、当時の返済履歴や利率を確認することが可能です。

電話窓口で電話し、取引履歴を取り寄せたい旨を伝えれば氏名や住所などの本人確認をするだけで簡単に取り寄せることが可能です。

なお、SMBCモビットに過払い金はなくとも、当時のプロミス系列(プロミス、クオークローンなど)では過払い金が発生する可能性が高いため、複数の貸金業者からの借り入れをしたことがある方は一度ご相談ください。

SMBCモビットの借金を解決するなら任意整理が最適

過払い金が発生することがないSMBCモビットですが、返済に困った場合には任意整理という方法で利息の支払いについて交渉することが可能です。

任意整理は弁護士や司法書士に依頼して貸金業者と任意の話し合いを行うことで返済期間を延ばしたり、毎月の返済額を減らしたりする方法です。

多くの場合、任意整理をすることで利息の返済を免除されますので返済総額を大きく減らすことが可能です。

任意整理で利息をカットできる

任意整理では裁判所を通さない任意の話し合いですので相手側が承諾すればどのような内容であっても和解することができます。ほとんどの場合、任意整理では次にような和解をすることになります。

  • 利息を免除してもらえる
  • 毎月の返済額が減らせる
  • 返済期間は3年~5年(36回払い~60回払い)
  • 遅延損害金も免除してもらえる

SMBCモビットには過払い金がありませんので借金の減額はできませんが、利息を免除してもらい、返済期間を長く設定することで毎月の返済額を大きく減らすことができます。

例えば、借金が100万円あり3年で返済場合、毎月の返済額は約35,000円ですが、任意整理を行った場合には同じ3年でも毎月の返済額は27,000円程度にまで減ります。これが5年での返済であれば毎月17,000円程度の返済になりますので毎月の負担は半分です。

SMBCモビットの場合には6年払い(72回払い)や7年払い(84回払い)を受け付けてくれる可能性もありますので一度ご検討ください。

任意整理は家族に内緒で手続きできる

個人再生や自己破産などの債務整理をすると裁判所を通すこともあり、家族や同居人に借金のことがばれてしまうということがありますが、任意整理の場合には家族や周囲の人に内緒にしたまま手続きをしやすいのが特徴です。

必要書類が少なく、家族の協力なしに進められますので弁護士や司法書士とのやり取りだけで済みますし、書類や連絡が自宅に来ることもありません。

更に手続きの方法次第では保証人に請求が行かないようにすることもできますので家族に借金のことを隠している方は特におすすめの方法です。

SMBCモビットを任意整理するときの注意点

過払い金がない場合でも借金問題を解決できる任意整理はお勧めの方法ですが、任意整理も債務整理ですので注意点があります。

ブラックリストに載ってしまうため新たな借り入れは難しくなりますし、クレジットカードも使えなくなるので生活に支障が出る可能性があります。

任意整理をするとブラックリストに載ってしまう

SMBCモビットに任意整理をすると信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆるブラックリストに載っている状態になります。

ブラックリストに載ると借金やローンができなくなり、クレジットカードの発行や更新も難しくなります。また、携帯電話購入時に分割払いができないなどの不便が出ることがあります。

ブラックリスト掲載期間は完済後5年間

ブラックリストに載ると一生載ったままと思われている方もいますが、実際に載るのは完済後5年です。

任意整理を和解後3年~5年で完済しますので、任意整理の正味8年~10年間はカードの利用や借金ができなくなります。

期間を過ぎればクレジットカードを作ることもできるようになりますし、借金やローンをすることもできるようになります。

ブラックリストを嫌がり任意整理をしないという方もいますが、借金の返済が滞納してもブラックリストに載ることはありますので返済が困難であれば一度ご相談ください。

クレジットカードの代替手段

任意整理をすると信用情報に傷がつく状態になるので新規でクレジットカードを発行することが難しくなります。既に持っているクレジットカードも更新のタイミングで使えなくなるということもありますので、任意整理後はクレジットカードは使えないとお考えください。

カードが使えないことは不便ではありますが、クレジットカードの代替手段はあります。

デビットカードであれば利用と同時に口座からお金が引き落とされますのでブラックであっても作れますし、プリペイドカードであれば事前にお金をチャージすることでクレジットカードの代替手段になります。

SMBCモビットの概要

商号株式会社SMBCモビット
本社東京都新宿区西新宿2丁目4番1号 新宿NSビル10階
設立2000年5月17日
開業2000年9月18日
資本金200億円
株主SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
URLhttps://www.mobit.ne.jp/
登録番号関東財務局長(7) 第01239号
日本貸金業協会会員 第002980号
代表司法書士杉山一穂近影
  • 司法書士法人杉山事務所
  • 代表司法書士 杉山一穂
  • 大阪司法書士会 第3897号
  • [プロフィール]

大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。

杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。

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