アコムで過払い金請求をしたいけど、アコムの対応に不安があったり、過払い金がどのぐらい取り戻せるのか気になったりしていませんか?
そこでこの記事では、アコムに過払い金請求を検討している方のために、
などについて解説します。
この記事を読めば、過払い金請求をする前の不安も解消できるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
過払い金請求はアコムからお金を借りているすべての方ができるわけではありません。以下の条件を満たした方のみが請求可能です。
アコムあるいはACマスターカードで平成19年6月17日以前にお金を借りたことがあるなら、過払い金請求が可能です。
過払い金は、利息制限法に定められた年15%〜20%を超える金利でお金を借りた際に発生する支払いすぎた利息です。
借り入れ額 | 利息制限法の上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円〜100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
アコムは、平成19年6月18日に貸付金利の上限を利息制限法の範囲に改正しました。
したがって、過払い金請求が可能な方は、平成19年6月17日以前にアコムから借金をしている方に限られます。
期間 | 貸付金利の上限 |
---|---|
平成7年6月 | 28.470% |
平成9年4月 | 27.275% |
平成19年6月18日 | 18.000% |
実際に、アコムは貸付金利を見直すまでは、年27.275%の金利を上限としてお金を貸していました。
利息制限法の上限金利は最大でも20%なので、過払い金請求が可能です。
アコムに過払い金請求をするためには、過払い金が時効を迎えていないことも重要です。
実は過払い金にも時効があり、民法第166条にあるように10年間行使しない場合は、時効が成立します。
(債権等の消滅時効)
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
また、令和2年4月1日の民法改正により、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間という条文が追加されました。
令和2年4月1日以前に借金を完済している場合では、完済日から10年が時効です。しかし、まだ返済を続けている場合は、時効が5年になるケースもあります。
なお、過払い金請求の訴訟が多く行われるようになったのは、平成18年1月13日の最高裁判決以降です。
そのため、平成18年1月13日から10年経つと時効を迎えるため、過払い金請求ができなくなると考える方もいるかもしれません。
しかし、この考え方は間違いです。
実際に、過払い金請求の時効の起算日については、平成21年1月22日の判決により取引が終了した時点すなわち、借金の完済日と判断されました。
過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引 においては,同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は,過払金返還請 求権の行使について上記内容と異なる合意が存在するなど特段の事情がない限り, 同取引が終了した時点から進行するものと解するのが相当である。
(引用元:最高裁判所判例集|最高裁判所)
したがって、過払い金請求の時効は、平成18年から10年という意味ではありません。
過払い金請求を検討しているけど、アコムからの対応に不安がある方は少なくないでしょう。
そこで、アコムに取引履歴の開示を行った際や過払い金請求をした際にどのような対応をされるのか解説します。
過払い金請求をするためには、過去の契約内容や返済記録が載っている取引履歴が必要です。
アコムに取引履歴の開示を求めると、スムーズに応じてくれる傾向があります。そのため、以下のいずれかの方法で取引履歴を取り寄せましょう。
アコムは他の貸金業者と比較すると、過払い金請求をした際もスムーズに対応する傾向があります。
その理由は、アコムが大手消費者金融であり、三菱UFJ銀行の傘下に入っていることも影響しています。
ただし、アコムの場合も他の貸金業者と同じく、過払い金を満額取り戻すためには裁判をしなければなりません。
一方、司法書士や弁護士に依頼しなければ、アコムの担当者との交渉が上手くいかず、過払い金を多く取り戻せない可能性があります。
司法書士や弁護士に依頼をしても、アコム側がすんなり過払い金の返還に応じないケースはあります。
希望する過払い金の返還に応じないのであれば、裁判で決着をつけるしかありません。
以下のようなケースでは、アコム側との裁判が長引く可能性があります。
過去に返済が滞り、アコム側から「利息の返済を免除したり、毎月の返済額を減らす」という提案をされた場合は注意が必要です。
示談書のなかに過払い金請求の権利を放棄する内容があれば、過払い金が戻ってこない可能性があります。
ただし、示談書に過払い金についての記載がなければ、過払い金請求ができるかもしれません。
実際に平成27年5月13日東京高等裁判所の判決において、過払い金の支払いを認めています。
この裁判で過払い金の支払いが認められたのは、債務者が示談をした理由として、債務者が過払い金の存在を知らなかったからです。
和解時期 | 平成17年1月 |
---|---|
取引業者 | アコム株式会社 |
過払い金 | 約365万円 |
債務額 | 約79万円 |
和解内容 | 将来の利息カットの上、67回払いでの返済を行う |
とはいえ、示談をしたことがあるケースでは、アコム側もかんたんに過払い金を支払うことはありません。
アコムでの借金を完済後に、1年前後で再度借金をした場合、以下の2点について裁判で争われる傾向があります。
たとえば、以下の図では、借金を完済したのは平成18年です。しかし、平成19年に再び借り入れを行い、最後に完済したのは平成24年です。
この2つの契約を別個の契約と扱うか続いている契約として扱うかによって、時効の成立日と戻ってくる過払い金が大きく変わるので注意が必要です。
別個の契約と判断したケース | 続いている契約と判断したケース | |
---|---|---|
時効の成立日 | 平成18年から10年後 | 平成24年から10年後 |
戻ってくる過払い金 | 少ない | 多い |
まず、複数の契約をそれぞれ別個の契約と判断するケースでは、平成18年が時効の起算日になるので、時効の成立は平成28年です。
他方、複数の契約が続いているケースでは、平成24年が時効の起算日になり、時効の成立は令和4年になります。
次に、別個の契約と判断された際に過払い金が認められるのは、平成18年までの契約のみです。
一方、複数の契約が一つの契約として続いていると判断されると、アコムからの借金を返済した全期間で過払い金を計算できます。
この際、最初の契約で発生した過払い金は、2回目の契約時の元金の返済に充てることができるので、支払いすぎた利息が多くなる可能性が高くなるのです。
アコム側は、複数の契約がある際には、それぞれ別個の契約と主張するでしょう。なぜなら、別個の契約の方が、過払い金が少なくなるからです。
このように、ケースによっては、アコム側と裁判になる可能性があります。アコム側の弁護士と訴訟が可能な司法書士への相談をおすすめします。
アコムに過払い金請求をすると、過払い金を取り戻せます。ただ、他にも以下のようなメリットがあります。
借金をすでに完済した方もまだ返済を続けている方も参考にしてみてください。
過払い金請求をするとブラックリストに載るのでは? と不安を感じている方もいるかもしれません。
ただ、借金を完済した後に過払い金請求をした場合、ブラックにならないので安心してください。
したがって、新たなクレジットカードの利用やローン契約にも影響はありません。
過払い金請求は、まだアコムへ返済を続けている場合でも可能です。そのため、過払い金が発生していれば、返済しなければならない借金を減らせます。
たとえば、300万円の借金があり、過払い金が200万円あるケースでは、返済金額を100万円に減らせるのです。
アコムに過払い金請求をした際にもデメリットはあります。事前にどのようなデメリットがあるのか把握しておきましょう。
過払い金請求をすると、アコム・アコムマスターカードの両方のサービスを利用できなくなります。
ただ、アコムのサービスは利用できなくなりますが、その他の貸金業者からの借金は可能です。そのため、アコムをこれからも使いたい方でなければ、特に問題はないでしょう。
借金の返済中に過払い金請求をしても、取り戻した過払い金と借金は相殺できるため、借金を減らせます。
ただし、すべての借金を返済できない場合は、任意整理の扱いになるためブラックになります。
ブラックになると5年間信用情報機関に任意整理をしたという記録が残ります。
そのため、新たなクレジットカードの利用やローン契約ができなくなるので注意が必要です。
JICC | CIC | KSC |
---|---|---|
5年 | 5年 | 5年 |
アコムマスターカードを利用している場合、過払い金との相殺の順番は、ショッピング枠の支払い→キャッシング枠の残額です。
そのため、ショッピング枠の支払いが残っていたことが原因で、キャッシング枠の借金が返済できなければ、ブラックになります。
ショッピング枠の支払いが残っているのであれば、過払い金請求をする前に、残っている支払いをしておきましょう。
なお、過払い金請求をした際のメリットやデメリットについては、過払い金請求のデメリットとはでもくわしく解説しています。
和解 | 裁判 | |
---|---|---|
返還までの期間 | 2か月〜4か月 | 6か月以上 |
取り戻せる過払い金の割合 | 80%〜 | 100%~ |
アコムに過払い金請求をした場合、取り戻せる過払い金の割合はどのぐらいなのでしょうか?
自分で手続きを行ったケースと司法書士に依頼したケースにわけて解説します。
自分で過払い金請求をすると、取り戻せる過払い金の割合は、発生している過払い金よりも著しく少ないことが予想されます。
なぜなら、アコム側が強気な姿勢に出る可能性があるからです。
また、アコムの提示してきた過払い金に不満がある場合、裁判になりますが、弁護士を相手に裁判を戦わなければならないので、過払い金の上増しは難しいでしょう。
そのため、アコム側から提示された少ない額での和解を受け入れるしかなくなります。
司法書士に依頼をすると、過払い金を多く取り戻せます。
和解になるケースでも過払い金のうち80%を取り戻すことが可能で、裁判まで進めば、過払い金全額を取り戻すことも可能です。
そのため、過払い金をできるだけ多く取り戻したいのであれば、司法書士への依頼がおすすめです。
なお、司法書士に依頼する前にアコムと和解してしまうと、新たに司法書士を通しても過払い金請求をすることができません。
そのため、アコムから和解を持ちかけられても、自分だけで判断するのではなく、司法書士に相談しましょう。
過払い金の相談は無料で承っている事務所もあり、相談料はかかっても30分5000円〜1万円前後です。
司法書士に過払い金請求の依頼をしたいけど、費用が高そうだから躊躇している方もいるかもしれません。
司法書士へ依頼をした場合の相場は、以下の通りです。
相談料 | 30分0円〜1万円 |
---|---|
着手金 | 1社あたり1万円〜2万円 |
基本報酬 | 1社あたり2万円〜3万円 |
成功報酬 | 取り戻した過払い金の20%(裁判では25%) |
ただ、司法書士事務所のなかには、相談料や着手金を無料にしている事務所もあります。
そのため、費用は過払い金を取り戻した際の成功報酬のみという事務所もあります。
さらに、今すぐ費用を用意できない場合でも、多くの事務所では分割払いや後払いに応じてくれます。
司法書士法人杉山事務所では過払い金の相談料や着手金が無料です。したがって、司法書士に支払う費用は過払い金報酬しかかかりません。お気軽にお問い合わせください。
アコムに過払い金請求をしたいけど、手順がよくわからない方も多いでしょう。過払い金請求を行う際には、以下の手順に沿って手続きを行います。
過払い金請求を行う際には、以下の2つの手続きが必要です。
過払い金の計算を行うためには、具体的な契約内容や契約期間がわからなければ計算のしようがありません。アコムに取引履歴の開示を求めれば、契約内容や契約期間がわかります。概ね2週間〜3週間で届きます。
自分で電話をして開示を求める場合、開示の理由を聞かれることがないか不安に感じている方もいるかもしれません。ただ、アコムについては、過払い金請求をするからという理由で取引履歴の開示を断るケースはありません。
なお、取引履歴の開示方法については、アコムの取引履歴を自分で取り寄せる手順・リスクと注意点でくわしく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
過払い金の引き直し計算は、取引履歴に載っている情報をもとに行います。
過払い金の引き直し計算とは、以下のように計算を行います。
ただ、自分で引き直し計算をやると、過払い金の計算を間違えることがあります。
たとえば、計算を間違えて、請求額が少なくなれば、取り戻せる過払い金も減ってしまいます。
さらに、過払い金の計算は複雑です。多くの貸金業者は、取引履歴の保管期限を定めているため、開示請求をしても古い履歴がわからないケースがあります。
司法書士に依頼すれば、正確な過払い金の計算はもちろん、一部の履歴が揃っていない場合の計算も行います。
司法書士法人杉山事務所では、過払い金の引き直し計算を無料で承っています。お気軽にお問い合わせください。
過払い金の引き直し計算の結果、過払い金が発生していることがわかったら、過払い金返還請求書を送ります。
自分で手続きをする場合、決まった様式はありません。
過払い金返還請求書を送れば、その時点で過払い金請求の時効を止められます。そのため、時効が迫っている場合は、最低限ここまでの手続きは行わなければなりません。
過払い金返還請求書を送った後は、アコムの担当者と電話で交渉を行います。
ただ、担当者は、これまでに多くの債務者や司法書士と交渉を行っているため、自分での手続きを選ぶと、取り戻せる過払い金よりも少ない金額を提示してくる可能性があります。
しかし、過払い金請求の実績が豊富な司法書士に依頼すれば、和解したケースでも過払い金の80%以上を回収できることがあります。
ここからは、アコムとの交渉の結果、和解に応じるか、裁判に進むかで手続きが異なるので、順番に解説します。
アコムとの和解をする際は和解書を結びます。そして、和解後2か月〜4か月で、アコムから過払い金が入金されます。
ただ、和解をすると、過払い金が満額戻ってくることはありません。
過払い金を満額取り戻したいのであれば、裁判を行います。
裁判をする際は、訴状や証拠書面など新たな書類を提出しなければなりません。
さらに、自分で手続きをする場合、平日に休みを取り裁判所に出廷する必要があります。他方、司法書士に依頼すれば、以下の手続きを司法書士が代行します。
アコムに過払い金請求を行うと、基本的には、スムーズに満額での和解が成立します。
ただし、例外もあり、以下のようなケースでは、弁護士をつけて争ってきます。
このようなケースでは、自分だけで手続きを進めても、裁判で良い結果を得られない可能性が高いです。
また、手続きの手間や時間がかかるため精神的に負担がかかります。
しかし、司法書士に依頼をすれば、すべての手続きを代行するので、働きながらでも手続きを進めやすいです。
また過払い金請求の交渉と裁判の違いや流れについては、過払い金請求は裁判した方が得!少しでも多く取り戻すためにでくわしく解説しています。
ぜひ、参考にしてみてください。
裁判は6か月以上かかることもあります。そのため、入金までの期間が和解したケースよりも長くなります。
ただ、裁判中の手続きはすべて司法書士が行い、過払い金も多く取り戻せるため、相談者が負担に感じることは少ないでしょう。
司法書士に依頼すれば、過払い金を多く取り戻せる可能性が高いです。しかし、どんな司法書士でも多くの過払い金を取り戻せるわけではありません。
過払い金請求の実績が豊富な事務所を選ぶ必要があります。
実績が乏しい事務所に依頼すれば、アコム側の弁護士との交渉が上手くいかず、過払い金があまり戻ってこない可能性があるからです。
他方、過払い金請求の実績がわかる司法書士事務所を選べば、費用がかかっても取り戻せる過払い金が多いので、手元に残る過払い金も増えるでしょう。
たとえば、過払い金が100万円ある場合に、裁判まで進んだケースの手元に残る過払い金を計算してみましょう。
司法書士A | 司法書士B | |
---|---|---|
相談料 | 無料 | 30分1万円 |
着手金 | 1社1万円 | 1社2万円 |
基本報酬 | 1社2万円 | 1社3万円 |
成功報酬 | 過払い金の20% | 過払い金の25% |
取り戻せた過払い金の割合 | 80% | 100% |
まず、司法書士Aに依頼した際に手元に残る過払い金は57万円です。他方、司法書士Bへの依頼で手元に残る過払い金は69万円です。
司法書士A | 司法書士B | |
---|---|---|
取り戻した過払い金 | 80万円 | 100万円 |
成功報酬 | 20万円 | 25万円 |
その他の費用 | 3万円 | 6万円 |
手元に残る過払い金 | 57万円 | 69万円 |
つまり、依頼費用が高い司法書士事務所に依頼しても、多くの過払い金を取り戻せば、手元に残る過払い金が多くなるのです。
商号 | アコム株式会社 |
---|---|
URL | https://www.acom.co.jp/corp/ |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治安田生命ビル |
資本金 | 638億3,252万円 |
貸金業者登録番号 | 関東財務局長(13)第00022号 |
その他 | 三菱東京UFJ銀行カードローン(バンクイック)、DCキャッシュワン、じぶん銀行カードローン |
大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。
杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。