消費者金融やクレジットカード会社が倒産・吸収合併をしても過払い金請求はできる?

消費者金融やクレジットカード会社が倒産・吸収合併をしても過払い金請求はできる?

法律が改正されて過払い金請求をする人が増えた結果、多くの貸金業者が経営不振となり倒産や他社と吸収合併をすることになりました。本来であれば、倒産や吸収合併する前に過払い金を請求するのがベストです。しかし、過払い金があるの気づくのが遅れた人もいると思います。
ここでは、すでに倒産や吸収合併から過払い金請求はできるのか解説していきます。

貸金業者が倒産して他社に吸収合併された場合

貸金業者でもいわゆるM&Aなど、吸収合併されるということはあり得る話です。
貸金業者が吸収合併された場合、その貸金業者がもつ債権も買収した企業側に譲渡されることになります。吸収合併の際に、基本的に法律上の権利関係はすべて引き継がれるからです。
これがいわゆる「債権譲渡」とよばれるものになります。もし過払い金が発生している貸金業者が吸収合併されてしまったとわかったとき、過払い金請求はどうすればいいのでしょうか?

貸金業者が倒産した場合にする債権譲渡とは?

そもそも、債権譲渡とはどういうものか、あらためて理解しておく必要があります。
この場合、債権は簡単にいえば「借金」のことで、貸金業者は借金をしている人(債権者)に対して、借金を回収する権利を持っています。 借金の形を変えずに、そのまま第三者にその権利を渡す(売る)ことを債権譲渡と呼びます。
債権譲渡されるケースには、ざっくりと以下の3つが考えられます。

① 回収の見込みがない債権

債務者が音信不通や行方不明、破産寸前などで、どこからも回収できる見込みのない場合です。債務者が破産するとその借金は法的に無効となるので、貸金業者は損金処理を行います。しかし、債務者が破産しないままで回収できない状態でいると、損金処理を行えず時効をむかえるまでどうすることもできません。
どうせ回収できないのであれば、未処理のままにするより、第三者へ譲渡してその債権を完結させたいということです。

② 回収の見込みがない債権とセットにされる回収可能な債権

回収の見込みのない債権だけではもらってくれる第三者はあらわれません。そこで、回収可能な債権もセットにして譲渡します。

③ 貸金業者が倒産した場合

貸金業者が倒産した場合には、自社で持っている債権をすべて第三者に譲渡します。
債権譲渡には、債務者の承諾は必要ありません。そのため、ある日突然、「債権譲渡しました」という連絡が入ってびっくりしてしまう人も少なくないようです。また、きちんと返済を行っていても、②や③のように債権譲渡される場合があります。

債権譲渡される第三者は、主にほかの貸金業者や債権の買い取りを専門的に行うファクタリング会社ですので、債権譲渡されたからといって厳しい取り立てが始まったり、金利が高くなったりすることはありません。債権譲渡の連絡が来ても、慌てずに返済方法の確認をするようにしましょう。

吸収合併されてしまった貸金業者に過払い金があったら?

債権譲渡のしくみを踏まえたうえで、過払い金が発生している貸金業者が吸収合併されてしまった場合、どうすればいいのでしょうか。過払い金請求を考えるケースとしては、次のようなものが考えられます。

① 貸金業者A社から貸金業者B社への債権譲渡

A社での返済時に過払い金が発生していた場合には、A社に対して過払い金請求を行います。逆に、B社での返済時に過払い金が発生していた場合には、B社に対して過払い金請求を行います。過払い金が発生した取引の貸金業者に請求を行うため、とくに問題はおきません。

② 貸金業者A社が倒産したため、貸金業者B社へ債権譲渡

A社との取引で過払い金が発生していた場合には、すでに倒産してしまったのでA社への請求ができません。この場合には、債権譲渡されたB社へ請求できるのでしょうか?

結論からいうと、最高裁の判決では“過払い金債務までは当然には継承されない”とされ、譲渡前に発生した過払い金をB社へ請求することはできません。
この場合には、譲渡前(A社)での過払い金をB社に請求することはできませんが、譲渡後(B社)での過払い金はB社へ請求することが可能となります。

過払い金訴訟で争点となる?

これだけはっきりとした結論が出ているのであれば、過払い金請求の訴訟でも争点とはならないように思われますが、実際に債権譲渡された借金での過払い金請求で誤解されがちな点が1つあります。

それは「A社に対して発生した過払い金が請求できないだけで、B社に対して譲渡後に発生した過払い金については請求可能」という部分の解釈についてです。
上でも述べたように、A社で発生した過払い金はA社、B社で発生した過払い金はB社、と明確に決まっているために見落としがちなのですが、A社で過払い金が発生していた場合、A社からB社へ譲渡された時点での借金残高に対して、その過払い金を充当することができるのです。
過払い金の充当について、以下の例で説明しましょう。

・A社が倒産してB社へ50万円の債権譲渡
のちにA社で10万円の過払い金が発生していたことが発覚した場合、B社へ過払い金10万円の請求を行うことはできません。
ところが、A社倒産時点(債権譲渡時点)での借金残高50万円に対して、過払い金10万円はすでに返済していた金額と見なされて、借金残高から差し引くことができるのです。そうなると、本来B社へ債権譲渡されるはずだった借金は50万円-10万円=40万円 となります。
この場合、B社へ払いすぎていた10万円を過払い金請求することができます。

つまり、過払い金や債務額の計算では、A社との取引履歴をもとに合算して一連計算することが可能なのです。A社での返済から通算したうえで、B社に対して払いすぎた金額分を、B社へ過払い金として請求することが可能となっています。

過払い金債務の継承されるケース

債権譲渡した場合には、基本的には過払い金の債務は継承されません。ですが、借金返済の途中で債権者が変わったにもかかわらず、過払い金債務が継承されるケースもあります。

① 会社の吸収・合併

債権を持っている貸金業者A社と、その他の貸金業者B社が吸収・合併した場合です。2つの貸金業者が1つの会社(B社、もしくは新しいC社)になるため、返済途中で債権者が変わることがあります。
このような場合には、過払い金債務を負うA社と新たな債権者(B社・C社)とはまったく別の会社であるとはいえず、新たな債権者が過払い金債務を負うことになります。

② 営業譲渡

営業譲渡とは、企業の事業の一部を他社に売却することです。具体的にいえば、貸金業者A社が第三者であるB社へ貸金業者として営業する機能を譲渡します。この場合も債権者はB社へと変わりますが、債権のみの譲渡ではなく、取引上の債権債務関係もそのままB社が引き受けるので、過払い金の債務を負うことになります。
ただし、営業譲渡契約の内容によっては貸金債権のみの譲渡となり、過払い金の債務は引き受けないとされている場合もあります。この場合には、最高裁の判決として“過払い金返還債務の継承を認めない”ので注意が必要です。

③ 契約切替

債権譲渡に似たケースとして、契約切替があげられます。
これは、債権譲渡の形を取らずに、貸金業者A社に残っている借金を貸金業者B社から借りて全額返済する方法です。つまりB社がA社への借金を立て替えて支払い、その立て替え分についてB社との間で新たに返済契約を締結します。
このケースでは、2社間でどのような契約を取り交わしたかによって扱いが変わってきますが、平成23年9月30日の最高裁判決では“債権を継承するにとどまらず、債務についても全て引き受ける旨を合意したと解するのが相当”となり、過払い金債務の継承を認められました。

債務者からすれば返済先が変わってしまう=債権譲渡とも思えますが、貸金企業間ではさまざまな契約方法があります。過払い金の発生した貸金業者が倒産したからといって諦めてしまわずに、過払い金債務を継承した貸金業者がいないか探してみるのもいいでしょう。
このようなケースは、契約内容の確認などが複雑な案件となりますので、過払い金請求の実績の多い杉山事務所にご相談ください。

倒産・吸収合併の恐れがある過払い金請求は杉山事務所

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