2007年12月以前にプロミスから借入れをした方は、過払い金を取り戻せる可能性があります。
2010年6月、貸金業法と出資法が改正されました。これにより、借入れにおける上限金利が29.2%から20.0%まで引き下げられたのです。つまり法の改正以前に20.0%を越える利息で借入れをしていた人は、利息を払いすぎていたとして過払い金を請求できます。
プロミスも、かつては現在の上限を超える利息で貸付けを行っていました。そのため、2020年現在でもプロミスへの過払い金請求をする方が多くいらっしゃいます。そこで、この記事では過払い金を取り戻せる条件や、具体的な手段について解説。司法書士法人杉山事務所が、分かりやすく過払い金の返還についてご説明いたします。
貸金業法と出資法が改正されたのは2010年6月です。しかし、それ以前にプロミスから借入があれば誰でも過払い金請求できるとは限りません。プロミスに過払い金請求できる条件は以下の通りです。
2007年12月19日以前にプロミスから借入れがあった場合は過払い金請求の対象者です。プロミスは2007年12月19日に金利を20.0%以内まで引き下げました。これは貸金業法と出資法が改正される3年前のこと。
なお、当時プロミスはゴールドまたは「PALCARD」と書かれたシルバーのカードを採用していました。このカードに心当たりのある方は過払い金請求ができるかもしれません。
2008年4月20日以前にポケットバンクで借入れした方は過払い金請求の対象者です。ポケットバンクもまた、2008年4月の金利引き下げまでは20.0%を越える金利で貸付けを行っていました。
後にポケットバンクはプロミスに吸収合併されています。そのため、ポケットバンクへの過払い金はプロミスに請求できるのです。
2007年9月以前にクラヴィス(旧タンポート・旧クオークローン)で借り入れのあった方も過払い金請求の対象者です。クラヴィスは2007年9月に破産し、貸金業から撤退。その貸金債権は、プロミスへ移行されることとなりました。つまりクラヴィスからの借入れで過払い金請求をできる条件は以下の通りです。
上記の条件を満たしていれば、プロミスに対して過払い金請求できる可能性が高いです。
先にご紹介した条件を満たしていても、過払い金を請求できないことがあります。それは以下のような場合です。
まず1つ目は時効です。過払い金は完済してからも請求できますが、完済から10年が経つと時効になります。時効とはつまり、取引についての請求や交渉を一切できなくなるということです。
過去に返済が難しくなり、プロミスと示談交渉をしたことがある場合も注意が必要です。示談交渉では、プロミスと債務者で「示談書」という書面を交わします。示談書には返済に関する取り決めのほか、過払い金の請求権を放棄するといった旨が記載されていることも。この場合、過払い金を請求することはできません。
また、プロミスが倒産した場合も過払い金請求はできなくなります。三井住友グループ会社の1つであるプロミスが倒産することは非常に考えにくいですが、100%ありえないとも言い切れません。
自分に本当に過払い金があるのか確かめるための方法をご紹介します。ご自身で過払い金の有無を知りたい方はご参考にしてください。
司法書士法人杉山事務所では、過払い金の計算を無料で承っております。「自分に過払い金があるかもしれない」「自分で計算するのは面倒だ」という方は、お気軽にお問い合わせください。
過払い金は、現在の上限金利と借入当時に設定されていた金利の差から算出できます。現在の上限金利は、以下の通りです。
借入額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20.0% |
10万円~100万円未満 | 18.0% |
100万円以上 | 15.0% |
現在の法律では、借入金額によって上限金利が変動します。たとえば200万円の借入れをした場合の上限利息は15.0%です。これよりも高い金利はグレーゾーン金利と呼ばれ過払い金が発生します。
では、法改正によって現在の上限利息が設定されるまでの、プロミスの上限金利を見てみましょう。
金利を変更した年 | 上限金利(年率) |
---|---|
1987年 | 36.50% |
1988年 | 32.00% |
1989年 | 29.20% |
1995年 | 28.47% |
1997年 | 25.55% |
2007年 | 17.80% |
先述の通り、2007年からは法改正を前にして金利の引き下げを行っています。ただし、それまでは現在の法定金利を5.0%近く上回る金利でした。
たとえば2000年に借入れをした場合、上限金利は25.55%です。借入額が100万円だったとすると、現在の上限金利は年15.0%。つまり本来であれば年15万円の利息で済むはずです。しかし、プロミスの25.55%という金利で計算すると、利息は25万5,500円。つまり、10万5,500円もの過払い金が発生していることになります。
ただし、この計算方法は上限金利を用いた簡略的なものです。詳しい過払い金の額を知るには、プロミスから取り寄せた取引履歴書を用いて「引き直し計算」をする必要があります。自分で計算するにはやや手間がかかるので、司法書士事務所へ相談することをおすすめします。詳しい計算方法を知りたい方はこちらをご参照ください。
借入期間が長ければ長いほど、利息が膨らむため過払い金が多くなります。また、プロミスで過去に借入れと完済を繰り返している場合も同様です。借入れを繰り返した分だけ払った利息は増え、結果的に多くの過払い金が取り戻せます。
過去に何回借入れをしたか分からないという方もいるでしょう。自分で取引履歴を全て覚えていなくても問題ありません。プロミスから取引履歴書を取り寄せれば、過去の取引から過払い金の額を計算できます。
プロミスに過払い金請求をするには、以下の2つの方法があります。
任意交渉とは、裁判所を通さずにプロミスと債務者の間で直接交渉を進めることです。一方、裁判手続きは訴訟を起こし、裁判所を通して過払い金を請求します。借入の総額が140万円未満の場合は簡易裁判所、140万円以上は地方裁判所が管轄です。
過払い金返還率 | 回収までの期間 | |
---|---|---|
任意交渉の場合 | 70%~ | 約4ヶ月 |
裁判の場合 | ~100% | 約6ヶ月 |
任意交渉の場合、プロミスからの返還率は70%前後となることが多い傾向にあります。70%という数値は他社に比べると、高い返還率です。つまりプロミスは、比較的任意交渉で過払い金を取り戻しやすい貸金業者といえます。なお、回収までの期間は約4ヶ月。裁判に比べて早く過払い金を取り戻せます。
一方、裁判を起こすとプロミスから全額の過払い金を取り戻せます。それに加えて、過払い金に対する利息まで返ってくることも。ただし、回収までの期間は約6ヶ月。半年間の時間を要するほか、裁判を起こす事務手数料もかかります。確実に全額を回収したいなら裁判もおすすめです。ただし、迅速に過払い金を回収することや手軽さを優先するなら、任意交渉が良いでしょう。
また任意交渉し、その結果次第で裁判を起こすという手段もあります。
ここからはプロミスに過払い金請求をしたときの、実際の流れについてご紹介します。基本的な流れは個人でも司法書士に依頼した場合も同様です。なお、司法書士に依頼したとしても、家族や知り合いに過払い金請求をしていることがばれる心配はありません。
まずはプロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)から取引履歴を取り寄せます。取引履歴を見ると、今までの返済の履歴や、借入残高などが分かります。自分で取引履歴を請求する場合は、下記問い合わせ先に「取引履歴が欲しい」と伝えれば問題ありません。受け取り方法は、店頭か郵送から選べます。
取引履歴がプロミスから届いたら過払い金を計算します。先述の通り、現在の法定金利を超える金利での取引を洗い出します。そして現在の法定金利に置き換えて計算。その差額を過払い金として算出するという作業です。
具体的な過払い金の請求額が計算できたら、「過払い金返還請求書」を作成します。送付と受け取りの履歴が残るように配達証明をつけてプロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)へ郵送します。
過払い金返還請求書がプロミスへ届いたことが確認できたら、先方の担当者と電話で和解の交渉を開始します。この時交渉するのは主に、以下の2点です。
プロミス側はこうした交渉に慣れており、できるだけ返還額を少なく、そして期限を長く設定しようとします。
和解交渉で提案された返還額に納得いかない場合や、確実に過払い金を満額取り戻したい場合、訴訟を起こします。プロミスは基本的に無駄な時間稼ぎをしたり、減額をしつこく主張することはありません。
ただし、過去に示談交渉した経緯がある場合や一度解約を挟んでいるケースなどにおいては過払い金を減額、または無効とする余地(争点)があります。こうした場合、プロミス側は代理人を付けて争う姿勢を取ることもあるのです。
また訴訟を起こすには、以下の書類が必要です。
司法書士に依頼をすれば債務者自身は裁判に出席する必要がありません。書類の作成における手間もなく、過払い金の返還を待つだけです。
任意交渉または裁判で和解が成立すると過払い金が返還されます。一般的には和解もしくは判決が出てから2~4ヶ月で、過払い金が入金されます。
契約状況によって過払い金請求をするとデメリットが発生する場合もあります。これからご紹介する条件に当てはまっている方は注意が必要です。
プロミスは過去にポケットバンクやアットローンを吸収合併しています。つまりポケットバンクやアットローンの借り入れは、現在のプロミスからの借り入れとして扱われます。
プロミスの借入れを完済していてもポケットバンクやアットローンにおける借入残高が残っている場合は「返済中に債務整理をする」という扱いになるため、ブラックリストに載ってしまうことがあります。
プロミスは2020年12月現在、三井住友カードローンの保証会社となっています。つまり、プロミスからの借り入れを完済していても、三井住友カードローンの借り入れがあり、プロミスが代位弁済している場合は完済扱いになりません。プロミスからの借り入れ返済中に過払い金請求を請求するのと同様の扱いになります。
商号 | SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 |
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設立 | 1962年3月20日 |
URL | http://www.smbc-cf.com/corporate/ |
本社所在地 | 東京都中央区銀座四丁目12番15号 |
資本金 | 140,737百万円 |
貸金業者登録番号 | 関東財務局長(13)第00615号 |
大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。
杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。