レイクの過払い金請求としては弁護士・司法書士に依頼する方法や個人で行う和解、裁判などの方法があります。どんな方法で過払い請求を行うかによって返ってくる金額も変わってきます。
今回は、レイクに過払い金請求して戻ってくる金額の目安、過払い金請求の流れや条件・期間・返還率、メリット・デメリットなどを解説します。
レイクに過払い請求をすると果たしてどの程度戻ってくるのかは気になる所です。新生銀行グループが出した過払利息返還の決算概要によると、2019年10~12月において新生銀行グループ全体で28億円、開示請求件数は6100件でした。(参考:2019年度第3四半期 決算・ビジネスハイライト)
取引履歴の開示請求件数なので、実際は若干の差異が生じますが、一人辺り約46万円の過払い金が戻ってくる見込みになります。また、利息返還損失引当金残高が約533億円(レイクは425億円)あり、過払い金の未払いはまだまだあるとみて良いでしょう。利息返還損失引当金残高とは、「過払い請求時に見込まれる返還額の損失に備えるためにあらかじめ準備しておく見積金額」を指します。
2017年10月~2019年12月までの過払い金の返還額の推移を見てみると、請求件数や過払い金返還額が毎年減少していっているのが分かります。これは過払い金が返還し終わりつつあるともとれますが、時効により毎年過払い金請求できる金額が減ってきている可能性もあります。
毎年過払い請求が出来る金額が減っているので、レイクからお金を借りていた方はお早めに相談するようにしてください。
レイクに過払い金請求ができる条件としては、下記のいずれかに該当する方です。
レイクは2000年にコーエークレジットを吸収合併しており、レイクの過払い金請求と一緒に行うことが可能です。
以前は賃金業者に適用される出資法と利息制限法という2種類の法律において、それぞれ上限金利が異なっていました。出資法の上限金利が29.20%、利息制限法の上限金利が15.00~20.00%(貸付金額により異なる)となっていて、賃金業者がどちらを適正すべきかという線引きが明確に定まっていませんでした。
つまり業者によって金利が29.20%の所もあれば、15%の所もあり、この差分が「グレーゾーン金利」と呼ばれるものになります。2006年の最高裁の判決により、グレーゾーン金利は認められないとの判決が出て、払いすぎていた金利分の額を返済しなければならなくなりました。
上記が過払い金が発生する仕組みになります。レイクは賃金法の改正により、金利を見直したのは2007年12月2日です。それまでレイクは最高29.2%という金利で貸付を行っていました。そのため、2007年12 月2日以前から取引を行っている人は過払い金が発生している可能性があります。
過払い請求に要する期間や返還率は「早期決着を重視するか」「より多くの過払い金請求をするか」によって異なってきます。
2016年以前のレイクは、消費者金融の中でも過払い金請求に前向きでスムーズに応じていました。
特に、裁判をしなくても過払い金全額、さらには利息分まで返還してくれていました。
2016年からレイクの態度が硬化して、裁判をしなければ過払い金の全額回収は困難になっていきます。
レイクの態度が硬化した理由としては、業界内でささやかれている「ゼネラル・エレクトリック(GE)との契約の打ち切り」です。結論からお話しますと、打ち切り前はGEの金銭的支援があったので、過払い請求に前向きな姿勢を示していたのですが、打ち切り後は予算の関係上過払い返還を出し渋るようになりました。
元々レイクはGE傘下の消費者金融でしたが、法改正による過払い金返還騒動をきっかけに経営権が現在の新生銀行に移行しました。
その際に「過払い金で発生した損失は元のGEが支払う」という契約を終結しましたが2014年に「GE側が1750億円を一括で支払う」ということで、上記の契約は打ち切りになりました。そして、現在予算が尽きかけているために、過払い金返還を出し渋るようになったと言われています。
レイクに過払い金請求をした時、裁判で争点になるのは主に次の4点です。
元々株式会社レイク(旧レイク)という会社があり、GEキャピタルコンシューマーローンという会社が営業権と営業資金を譲り受けて、平成10年11月に新たに株式会社レイク(新レイク)を立ち上げました。
そのため、「旧レイクは別会社であり、過払い金は引き継がない」と主張していて、旧レイク時代の過払い金を払うか払わないのかが争点になります。以前は、旧レイクの過払い金請求に関しても返還に応じていたのですが、平成28年から「旧レイクの過払い請求には応じない」と弁護士を通して主張してくるようになり、実際にレイク側に有利な判決が東京高裁を中心に出ています。
レイク側の主張を支えているのが、最高裁平成23年3月22日第三小法廷判決です。上記の事案はタイヘイからCFJへの債権譲渡の際に過払い金請求がCFJに引き継がれるか争った結果、「過払い金は引き継がれない」という判決が下りました。
そのため、現在では旧レイク分の過払い請求の回収は難しいのが現状です。また、平成10年から12年を堺に契約の移行が行われており、自分が旧レイクか新レイクどちらから借りたのかわからない・・という方は一度杉山事務所にご相談ください。
レイクは取引の分断を主張してきます。一度借金を完済し、再度の借り入れをする場合、別々の取引にするかそれとも一つの取引とするかで過払い金の請求額が代わってきます。これを分断取引といいます。
通常、1つに見た方が過払い金額の請求額が多くなるので、レイクは「2つの取引は別々のものとして取り扱うべきである」と主張してきます。
レイクの取引履歴開示で特徴的であるのは、「平成5年10月より前の取引履歴は破棄しているので開示できない」と主張してくる点です。さらに、取引履歴が開示されないことを争っても開示されることはありません。
問題点としては、「取引履歴がすべて揃わないと過払い金の引き直し計算ができない」ということです。
請求額が確定しないので、請求ができないまたは少ない金額での請求となります。弁護士・司法書士では推定計算や推定ゼロ計算と呼ばれる方法で、「おそらくこれくらいの過払い金があるはず」という見積もりを出して請求します。裁判でも推定計算は認められることが多く、レイクの過払い金請求を弁護士や司法書士に依頼するメリットにもなるので是非一度ご相談ください。
最高裁判決平成17年7月19日による貸金業者の取引履歴開示義務が明確になるまでは、取引履歴の開示義務もありませんでした。取引履歴開示義務が出されてからは、レイクに限らずどの消費者金融も取引履歴を「破棄」していなければ開示に応じるようになっています。
取引の途中で返済の遅れなど、お金を借りた人の信用状態が悪化した場合、賃金業者は新たに借り入れができなくなるように、貸付停止措置を取ります。貸付停止措置を取った日を起点として、それ以降の取引は10年経過したら過払い金が時効になると主張してきます。過払い金の「充当合意」という、過払い金が発生している場合は、次の借り入れの際に過払い金と相殺できる言葉があります。
充当合意が認められる条件として「継続的に貸付ができる状態」があるので、貸付停止措置が行われた場合は「継続的に貸付ができない」とされ、充当合意が認められない状態となります。つまり、貸付停止措置を取った日を起点として、時効の開始日であると主張してくるのです。ただし、裁判では上記の主張は認められることは少ないのが現状です。
レイクに過払い請求をすると、基本的にレイクからは借り入れができなくなります。
注意して欲しいのが返済中に過払い金請求をした場合です。過払い金請求をしても借金を完済できなかった場合、債務整理扱いになり信用情報機関に事故情報が登録されます。その結果として、5年の間ブラックリストに載り、新たな借り入れやクレジットカードの利用ができなくなる可能性があります。
過払い金請求をすれば、払い過ぎた利息がそのまま過払い金として戻ってきます。
そのため戻ってきたお金を生活や別の返済に充てることができるため、経済的にも精神的にも豊かになるでしょう。
返済中の過払い請求をする場合は、借金を減らせる可能性があります。実際の所戻ってくる過払い金を考慮すると「実は借金を完済していた」というケースもあります。レイク側からは、あなたに過払い金が発生していて、もう返済する必要はないことが分かっていても、わざわざ伝えてくることはありません。つまり、返済中に過払い請求をすることで、返済中の借金を減らせる・無くなるだけではなく、本当のあなたが支払うべき金額を把握できます。
レイクのクレジットカードで過払い金が発生するのはキャッシング利用のみになります。例えば、飲食代の支払いや買い物などのショッピング利用には過払い金は発生しません。
過払い請求を行うと、自動的にレイクのカードは全て解約になります。基本的にレイクが発行しているクレジットカードは全て利用できなくなるので注意しましょう。
レイクの関連業者を利用していた方は注意が必要です。例えば、レイクが吸収合併した会社や、レイクとは無関係に思える銀行からの借り入れ、レイクが保証会社となっている場合も過払い金の対象になります。レイクが銀行カードローンの保証会社になっているのは、オリックス銀行や東京スター銀行などがあります。問題点としては、銀行カードローンの返済が滞っており、レイクに代位弁済されると債権がレイクになり、債務整理扱いになる可能性があるということです。
レイクに代位弁済された状態で過払い請求をして、過払い金よりレイクの借金が多かった場合は、債務整理になりブラックリストに載ります。つまり、レイクに完済したと思って過払い請求をしても、ブラックリストに載る可能性があるのです。ブラックリスト入りを避けるには、レイクの関連業者を含め全ての借金を返済する必要があります。返済中に過払い請求をしても、過払い金で借金を完済できるのであればブラックリストに載ることはありません。
レイクに過払い請求をした後の影響として、再契約が出来なくなります。
完済後の過払い金請求であれば信用情報に事故情報が登録されないので他社カードローンの審査には影響は出ません。しかし、過払い金請求を行い完済ができず返済が継続することになれば信用情報に債務整理を行ったという事故情報が登録されて今後他社カードローンの審査に通りにくくなる可能性があります。
新しく組む住宅ローンへの影響も、過払い請求時または過払い請求後に借金が完済できるのであれば、全く影響がありません。契約先が新生銀行の場合でも同様です。ただし、先述したように過払い金請求を行い完済ができず返済が継続することになれば債務整理扱いになり、5年程度は住宅ローンが組めなくなる可能性があります。
過払い金請求には多くの過程があり時間や労力を抑える意味でも、弁護士や司法書士に任せるのが良いでしょう。
ここではレイクへの手続きの流れをご説明します。ご自分で過払い金請求する場合も基本的な流れは変わりません。
まずはレイクから取引履歴を取り寄せます。通常は1週間ほどで届きます。ご自身で取り寄せる場合は、レイクの代表番号に電話をして(0120-15-39-09)「店頭で受け取り」または「郵送」にて開示されます。先述したように、レイクでは平成5年10月以前の取引履歴を開示しません。平成5年10月以前に取引があった方は杉山事務所にご相談ください。
過払い金がいくらあるか計算するには、利息制限法に基づいて利息の再計算をします。取り寄せたレイクの取引履歴を見ながら、「お取引日」「貸付」「入金」部分に沿って、日付と借入金額・日付と返済金額を入力していくというものです。
レイクに「過払い金返還請求書」を送って過払い金請求します。
証拠を残すために内容証明郵便で送るようにしましょう。
続いて、レイク側の担当者との交渉に入ります。ご自身でされる交渉される場合、相手もプロなので安い金額に持っていこうとしますが、強気に希望額を提示するようにしましょう。一方で、杉山事務所を含め弁護士や司法書士に依頼する場合は、過払い金元本の80%は返ってくる可能性が高いです。期間は2ヵ月程度が目安です。
話し合いによる交渉で納得が行かなければ、過払い請求の裁判をします。
ご自分で過払い金請求の裁判をおこなう場合は、訴状や証拠書面など必要書類の作成が必要です。また、裁判がおこなわれるのは平日なので、平日に裁判所に出廷する必要があります。
裁判中であっても、並列進行でレイクと和解交渉を進めることもできます。レイクから納得のいく提案があれば、判決を待たずに裁判外で和解が成立する場合もあります。過払い金の返還
裁判で勝訴したり、裁判外で和解がまとまれば、過払い金が返還されます。
レイクは新生フィナンシャルのサービス名ですので、過払い金の請求は新生フィナンシャル株式会社に行ないます。
レイクの過払い請求は以下の特徴があります。
例えばアイフルの場合ですと、和解で掛かる期間は約3ヵ月、返還率は60%前後なので他の消費者金融と比べるとレイクは比較的過払い請求に前向きな対応を示しています。
レイクはアコムやプロミスと同様にバックに銀行が存在しており、かつ新生銀行のグループであるため、今の所は倒産する可能性は低いと言えるでしょう。決算情報を見ても、業務粗利益(資金利益・非資金利益)に関して前年度を上回っており利益が出ています。そのため、現状においては倒産するリスクは少ないと言って良いでしょう。
商号 | 新生フィナンシャル株式会社 |
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URL | http://shinseifinancial.co.jp/ |
本社所在地 | 東京都千代田区外神田三丁目12番8号 |
資本金 | 1億円 |
貸金業者登録番号 | 関東財務局長(9) 第01024号 |
その他 | 新生パーソナルローン(シンキ)、アプラスフィナンシャル、新生カード、GEコンシューマーファイナンス(旧社名) |
大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。
杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。