アイフルに利息を払いすぎていてお金を返して欲しいけど、自分がどれぐらい返ってくるのかを知りたいという人の悩みを解決します。アイフルの過払い金請求としては、弁護士・司法書士に依頼する方法や、個人で行う和解、裁判などの方法があります。それぞれによって返ってくる過払い金の金額も違ってきます。今回は、過払い請求ができる条件・期間・返還率、流れ、メリット・デメリットなどを解説します。
アイフルに過払い請求をしたら、いくら戻ってくるのかどうかは気になるところです。
アイフルに過払い請求をした場合、公式発表によると、2019年には12600件の過払い金返還請求が行われ、約130億円の過払い返還を行っています。(アイフル月次推移(2018/4~2019/3) およびアイフル月次推移(2019/4~2020/3))
単純計算で1人辺り約103万円ほどが返ってきています。
では、自分の過払い金は100万ほどが返ってくるのかというと一概には言えません。
過払い金がどれぐらい返ってくるかどうかは、借り入れの時期、金額、返済期間、借り入れと返済の繰り返しの有無などによって変わってきます。
アイフル月次推移(2018/4~2019/3)とアイフル月次推移(2019/4~2020/3)併せて約2年分のアイフルの過払い金の返還状況をまとめました。
ご覧の通り、年々アイフルに請求できる件数が減っています。毎年アイフルが返し終わっているので減っているともとれますが、一方で時効により過払い金請求ができなくなっているともとれます。
アイフルの過払い金は2007年8月以降には新規で発生はしませんので、それだけ多くの方が時効により過払い金請求できなくなっている可能性があります。
既に返済を終えている方で2007年8月以前にアイフルより借り入れをしたことがある方は、過払い金請求を急ぐ必要があります。
過払い請求の際の条件としては、どちらかに該当する方になります。
借り入れする際の金利は法律によって厳格に定められています。
利息制限法の上限金利は20.00%ですが、2007年8月1日までアイフルは28.835%、2007年8月までライフは27.74%となっていました。2006年の最高裁判所判決により利息制限法の上限金利を超える分については返還されることになりましたのでこの金利の差が過払い金となるのです。
アイフルは裁判に負けても控訴して時間稼ぎをしてきたり、負ける可能性が高くても何度も控訴してきたりする業者です。 また、判決後に直接本人に為替で送って返還することもあります。過払い金請求の返還はの事務所の口座に振り込まれるのが一般的ですが、アイフルは突然自宅に送ってくることもあるので、家族に内緒で請求していた場合には家族にバレてしまうということもあります。
控訴審の判決が出た後に上告されることはなく、判決通りに支払いに応じてもらえます。
控訴審とは、第一審の判決に不服がある場合に上級の裁判所に対して新たな判決を求める不服申し立てのことです。控訴審で敗訴が確定するとアイフルも諦めて判決通りの支払いに応じるようです。
アイフルと裁判をする時の争いのポイントになる点を解説します。
一度借金を返済した後に新しく借り入れをすることがよくあります。この時に複数の取引を1つの取引とするか(1つの契約と見るか)別の取引と見るかで過払い金の計算が変わります。
複数の取引のことを分断取引といいます。
通常の場合、1つに見た方が過払い金額の請求額が多くなるので、アイフルは「2つの取引は別々のものとして取り扱うべきである」と主張してきます。
アイフルは「悪意の受益者ではないため過払い金に利息をつけるべきではない」と主張してきます。悪意の受益者とは、正当な理由なく、他人の財産・労務などの損失により利益を得ることを「知っていながら」利益を得ていた者を指します。アイフルは過去の判例を元にこのような主張をしてくることがありますが、現在ではほとんど通らない主張です。
アイフルでは延滞があった場合、それ以降は遅延損害金率で利息を計算するよう主張してきます。この方が過払い金の支払いが少なく済むからです。例えば10~100万までの借り入れの場合、利息制限法の制限利率は年18%ですが遅延損害金率は年26.28%なので遅延損害金率で計算した方が本来支払うべき利息が多くなり、過払い金の支払い額が少なくなります。
アイフルの過払い請求のメリット・デメリットを解説します。
借り入れを返済中に過払い請求する場合、ブラックリストに載る可能性があります。
過払い金の金額より借金残債が多い場合、借金を減らす債務整理の手続きにみなされブラックリストに載ります。
ブラックリストに載ってしまうと、借り入れ・クレジットカード・ローンの審査が通りづらくなります。
一度アイフルに過払い金請求をすると今後アイフルから借り入れができなくなります。
過払い金が発生していればアイフルの借金やショッピングの利用残高を減らすことが可能です。
毎月の利息ばかりを払い続け借金が減らなかったとしても、手続きをすることで将来の利息のカットや返済額の減少に繋げることができます。
過払い金請求をすることでお金が手元に戻ってきます。
アイフルに過払い請求をする時の注意点をご紹介します。
アイフルに限らずクレジットカードで過払い金が発生するのはキャッシング利用のみになります。飲食代の支払いや買い物などのショッピング利用には過払い金は発生しません。
アイフルへの返済中に示談書を交わすことがあります。示談書の中に請求の権利を放棄する旨の記載があった場合、過払い請求ができなくなることがあります。
アイフルに過払い請求をする場合は期限があります。
過払い請求には、最終取引日(完済した日)から10年という時効があります。過去にアイフルから借り入れをしていたという方は時効を過ぎてしまうと過払い請求か出来なくなってしまうので注意しましょう。
アイフルに過払い請求した後の影響をご紹介します。
アイフルに過払い請求するとアイフルのカードはすべて解約になります。基本的にアイフルが発行しているクレジットカード、ETCカードなどのカードについている全ての機能が使えなくなります。
アイフルの関連会社(吸収合併した会社を含む)や、一見アイフルとは無関係に見える銀行からの借り入れであっても、アイフルが保証会社のなっている場合も過払い金の対象になります。例えば、南日本銀行や宮崎太陽銀行などの銀行カードローンの保証会社はアイフルです。銀行カードローンの返済が滞り、アイフルに代位弁済されると、債権がアイフルに移ります。この状態で過払い金請求をして、アイフルの残責の方が多かった場合には債務整理となりブラックリストに載ります。つまり、アイフルに完済していたと思っていても、ブラックリストに載ってしまうという問題点があります。ブラックリスト入りを避けるためには、アイフルの債務を完済する必要があります。返済中であっても過払い金で完済できればブラックリストに載ることはありません。
アイフルに過払い金請求をした後にアイフルと再契約することはできなくなります。つまり、借り入れができないということです。まったくできないというわけではありませんが、再契約ができる可能性は低いということは覚えておきましょう。
完済後の過払い金請求であれば信用情報に事故情報が登録されないので他社カードローンの審査には影響は出ません。
しかし、過払い金請求を行い完済ができず返済が継続することになれば信用情報に債務整理を行ったという事故情報が登録されて今後他社カードローンの審査に通りにくくなる可能性があります。
こちらもカードローンを組むケースと同様です。借金返済中に手続きをして借金が残る場合には債務整理になり、事故情報が登録されて今後新規の住宅ローンの審査に通りにくくなる可能性があります。
アイフルは過払い金請求に対して比較的厳しい対応をしてくる業者なので、やはり司法書士や弁護士に任せるのが安心です。
ここではアイフルへの手続きの流れをご説明します。ご自分で過払い金請求する場合も流れは変わりません。
アイフルから取引履歴を取り寄せます。通常2週間~3週間ほどで届きます。
アイフルから取引履歴を取り寄せるには、アイフルの代表電話番号に電話し「取引履歴が欲しい」と伝えれば、店頭受け取りまたは郵送にて開示されます。郵送の場合、届くまでに1ヶ月近く掛かります。
過払い金がいくらあるか計算するには、利息制限法に基づいて利息の再計算をします。
取り寄せたアイフルの取引履歴を見ながら、「お取引日」「貸付」「入金」部分に沿って、日付と借入金額・日付と返済金額を入力していくというものです。
届いた取引履歴を利息制限法の上限金利と元に計算しなおし、請求額を確認します。請求額が定まったら内容証明郵便にて請求書を発送します。
請求書を送るとアイフルの担当者から連絡が入ります。アイフル側の提案で満額が提示されることはありませんが、発生額の60%程度は回収が見込めます。
任意交渉には通常3か月程度かかります。
電話などでの交渉でアイフルから提示された金額に納得がいかなければ、過払い金請求の裁判を起こします。
ご自分で過払い金請求の裁判をおこなう場合は、訴状や証拠書面など必要書類の作成が必要です。また、裁判がおこなわれるのは平日なので、平日に裁判所に出廷する必要があります。
裁判で勝訴したり、裁判外で和解がまとまれば、過払い金が返還されます。
和解がまとまった後、入金までは1ヶ月~2ヶ月程度をお考えください。
杉山事務所が実際にアイフルの過払い金を回収した実績を載せます。
過払い金の発生額 | 107万7500円 |
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アイフル側の提示金額 | 43万円(40%) |
交渉によって確定した金額 | 52万円(約48%) |
東京都に住むAさんはすぐにまとまったお金が欲しいとのことで、任意交渉を選択しました。過払い金の107万7500円の内、約48%にあたる52万円ですぐに返還してほしいという方針でアイフルと和解しました。
結果、52万の翌月返還という形でアイフルと和解しました。
過払い金の発生額 | 102万5000円 |
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過払い金の利息額 | 30万5000円 |
アイフル側の提示金額 | 53万2000円(40%) |
裁判によって確定した金額 | 133万円(100%) |
埼玉県に住むYさんは「時間が掛かってもいいから、なるべく多くの金額が欲しい」と主張していたので、裁判を行いました。
裁判を行い特別な争点もないまま4ヵ月後に判決が出て返金を受けることができました。
上記のように裁判を行うと、過払い金の発生額以外に利息を含んだ金額を返還してもらうことができます。時間は和解に比べるとかかりますが、より多くの金額が欲しいという方は裁判をするのもありです。
アイフルの過払い請求時に関するよくある質問をまとめました。
アイフルの過払い請求に関しては、請求額の減額を低姿勢で御願いしてきて、債務者の同情を誘ってくるのが特徴です。債務者からすると、払いすぎていた利息を返して貰うのは当然ですし、アイフルの経営状況を考慮する必要はありません。「多くのお金を取り戻したい」とお考えであれば、弁護士や司法書士が減額を勧めて来たとしても、同情せずに確固たる信念を貫いていきましょう。
過去に事業再生ADRを行っているのでアイフルの経営を危ぶむ声もありますが、IR情報を見る限り利益が出ているので直近で倒産というリスクは低いと判断するのが妥当です。
商号 | アイフル株式会社 |
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代表者名 | 福田 光秀 |
URL | https://www.aiful.co.jp/ |
本社所在地 | 京都府京都市下京区烏丸通五条上る高砂町381-1 |
創業 | 1967年4月 |
設立 | 1978年2月 |
資本金 | 940億2800万円 |
貸金業者登録番号 | 近畿財務局長(13)第00218号 日本貸金業協会会員 第002228号 |
大学卒業後就職するも社会貢献できる仕事に就きたいと考え、法律職を志し、司法書士試験合格。合格後、大阪市内の事務所で経験を積み、難波にて開業。
杉山事務所では全国から月3,000件を超える過払い・借金問題に関する相談をいただいております。債務整理や過払い金請求の実績豊富な司法書士が多数在籍し、月5億円以上の過払い金を取り戻しています。